密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

「案外トランプさんは常識的だった」っなわけないでしょ!!大歓迎仲良し外交が恫喝に変わる

トランプは、自分に忠誠を誓う人、自分に逆らわない人には鼻の下を伸ばしてフレンドリーになる。その性癖を知り尽くし、利用し操ることのできるプーチン。長期的商談では上手の習近平。トランプが唯一手放しで安心して勝て、ペットにしこめるのは日本の安倍晋三のみ。ロシア・中国は自国が人権上の非難にさらされているので、トランプの無知蒙昧からくる差別発言、人権無視などかわいいもので言及もしない。しかし自由社会のリーダーと自負してきたアメリカの大統領のこのトンデモな態度は、他の民主主義国にとっては、きちんと批判し、迎合などという恥ずかしいことは絶対にするべきではないことなのだ。


ところが、なんちゃって民主主義の日本国首相は平然とそれをやってのけた。
ある意味今までもっとも日本の問題として日本人の間で長く批判反省のもと議論されてきた、本質的思考のなさ、思想的弱さ、日和見、拝金主義、そうしたことが全く何の意味もなしていなかったことの証明が現在の日本国首相の行動に証明された。


国内で非難の嵐、各国首相には白眼視され、司法からも見放された就任わずか3週間の新大統領にとって、子犬のようにじゃれついてくる安倍首相には癒されただろう。


とはいえトランプは常に勝てる相手には徹底的に勝つをモットーにしているので、彼の歓迎がのちに逆らうことを許さないハニートラップであることも言うまでもない。




日米首脳会談後、満面の笑みでトランプ大統領とかたい握手を交わした安倍首相。日米同盟の意義を確認し、声明に尖閣諸島が日米安保の対日防衛義務の対象だと明記させたことに誇らしげだが、しかし、これはたんにいままでの米政府の見解を確認しただけにすぎない。
しかも、その代わりに何をトランプに差し出したのか考えると、実に恐ろしい。
 たとえば、共同記者会見で安倍は、「米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本も積極的平和主義の旗の下、より大きな役割を果たしていく考えです」と述べた。これは完全に、安保法制で役割を飛躍的に拡大させた自衛隊をアメリカのために使うというアピールだろう。また質疑応答で、トランプの“入国禁止令”や“難民受け入れ凍結”について問われても、相変わらず「難民政策、移民政策についてはその国の内政問題ですので、コメントすることは差し控えたい」と批判を封印。さらに、「米国が偉大な国になっていくことを歓迎したい」とのたまい、どこまでもアメリカに追随する誓いまで立てたのだ。


しかし、いうまでもなく、国際社会においてトランプのやり方はリスクしかもたらさない。とりわけ対中東政策は間違いなく戦争の呼び水となる。たとえば、トランプが選挙期間中から明言していていた在イスラエル米大使館のエルサレム移転計画だ。元外務官僚で作家の佐藤優も、「仮に米国が大使館をエルサレムに移転すれば、東エルサレムがイスラ


エル領であると承認する効果を持つ。これに反発してパレスチナの過激派がイスラエルに対して武装攻撃を行うことは必至」「さらに、アラブ諸国の対米関係、対イスラエル関係が急速に悪化する。米国大使館のエルサレムへの移転をきっかけに第5次中東戦争が勃発するかもしれない」(産経新聞1月15日付)と強く危惧している。

もちろん、日本は予期される中東戦争に無関係ではない。日本は集団的自衛権の容認によって「密接な関係にある他国に対する武力攻撃」に対して軍事力を行使することになった。日本がアメリカの起こした中東での戦争に巻き込まれ、自衛隊員が血を流すことになるのは必至だ。それだけではない。今以上にアメリカとの軍事一体化を進めていくと、日本自体がテロの標的にされる可能性が飛躍的に増していくだろう。日本へのテロ攻撃は他の親米国に対しても絶好の見せしめ効果を発揮するからだ。
そうした状況のなかで、安倍首相は、たかがトランプが尖閣を日米安保の防衛対象であると確認しただけで、鼻高々になっている。これこそ「平和ボケ」ではないか
 

しかも、安倍は経済分野でもアメリカに“貢物”を差し出すつもりらしい。
貿易や金融財政などの新たな「対話」の枠組みを新設するというやつだ。首脳会談ではトランプが「フェアな貿易関係」を強調し、経済分野について「日米二国間の枠組みも排除しない」ことを確認した。つまり、トランプがTPPにかわる日米二国間の自由貿易協定(FTA)の締結に持っていくつもりなのはほぼ間違いない。FTAの交渉になれば、もちろん、トランプ政権は牛肉や豚肉などの畜産、米など、安倍政権が「聖域を守った」と嘯く市場についても、TPP以上に日本側に開放を迫ってくるだろう。
 

そもそも、TPPも参加表明各国(アメリカを含む)の名目GDPのうち大部分を日米で占めていたことから“事実上の日米FTA”と揶揄されていたが、それでも一応、アメリカの要求に対して、日本が利害の一致する他の加盟各国国と結託して抵抗することが理論的には可能であった。しかし、日米二国間だけの交渉となるとこうした手段は使えない。しかも、今回の相手は露骨な自国利益第一主義を標榜するトランプだ。日米安保を取引材料に、日本側に大幅に不利となる条件を平気で突きつけてくることは火を見るより明らかだ。
 

もともと、TPP自体、大きな利益を得るのは一部のグローバル企業だけで、競争にさらされる日本の中小企業は不利になり、また食の安全性や保険料・医薬品の高額化など多大な問題があった。それが、新たな日米FTAともなれば、アメリカ・ファーストを掲げるトランプの強硬的な保護主義が裏返って(つまり、反自由貿易的姿勢と整合性をとるために)、一層“アメリカが勝者で日本が敗者”というわかりやすい構図を求める。


実際、韓国のケースでは、二国間FTAによって、韓国市場が米国企業に荒らされ、韓国内の貧富の格差はますます拡大。2012年3月に米韓FTAが発行されたのち、たった1年目で米国産牛肉の輸入量は基準より53.6%も増え、価格面でも韓牛は5年間の平均価格より1.3%、子牛は24.6%も下落、約1万2000もの農家が廃業したという。実質GDPの成長率も、前年、前々年と比べて数パーセント単位で鈍化した。
 また、日米FTAでトランプは、当然のようにISD条項を盛り込むことを強く主張するだろう。簡単にいうと、アメリカの企業が外国の政策で損害を受けたら賠償請求をすることができるという制度だ。実際、韓国FTAでは発行から約半年後の12年11月、アメリカの投資会社ローンスターがISD条項を使って韓国政府を提訴している。国内産業を保護することが困難になるのだ。
 

さらに、沖縄米軍基地問題では「辺野古移設が唯一の解決」といってトランプに基地固定化を約束し、また世界中から批判されている移民受け入れ凍結措置や、イスラム7カ国の“入国禁止令”についても安倍首相はノーコメントを貫き通した。繰り返すが、こうした“対米ポチ犬外交”が、日本を安全保障でも経済でも危機にさらすのだ。
 安倍政権は安保の尖閣防衛や「日米経済対話」を、日米首脳会談の成果として誇るが、わたしたちは、その本質を見誤ってはならない。日本のテレビなどのマスコミは、こうした暗い影にはほとんど触れず、「案外トランプさんは常識的だった」などとのんきなことばかり言っているが、実際は日本国民にはこの先、とてつもなく過酷なシナリオが待ち受
けているのはほぼ間違いないだろう。


そう、トランプは自分から何も具体的に今までの日米関係以上の事は明言していない。
とりあえず、逆らえないように(Noと言わせないようい)フレンドリーで型にはめ、あとはゆっくり何を要求できるか考えるといったところだろう。トランプがアベはフレンドなので彼のために何かしよう、などと考えることは過去のトランプの行状からも絶対にありえないことなのだ。


何度も言うがアメリカは、相手の利益になることを先に回って無償で約束しても、何の交渉的有利にはならない。これをしてあげるので、あなたは何をしてくれるのか? 私はあなたのためにこれができる、あなたは何ができるのか?というように、はっきり打ち出すことが当然。相手から言われずに、自分の意思で相手のためにしてあげる行為、それは純粋な行為で見返りは期待していない。そういう原則がある。もちろん安倍首相も交換条件のつもりでいろいろお土産を用意してきただろうが、トランプのようなタフなビジネスをする人間にとっては、お土産はお土産、ありがとうそのお礼に別荘とゴルフにご招待、あなたから言い出したことなので、私が頼んだことではない。何の約束もしていないと、いつテーブルをひっくり返されるか、あるいはもっと厳しい条件をねじ込まれるかわからない。「案外トランプさんは常識的だった」なんて本気で言っているのなら、まさに知らぬが仏のお花畑だ。


なんだかんだいって、日本人は未だ箱入りの交渉下手。老獪な小沢一郎氏、穏やかだが論理的で決してブレない志位和夫氏、こういう人たちが、リーダーとなれば今後混乱する対米関係を乗り切ることができる。 何としても政権を倒し、連立政権に共産党も入閣し、崖っぷちの日本のために働いてもらいたい。


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