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看板に偽りあり、トランプ国外移転企業に35%関税ツイート

日本では、各メディアこぞって、トランプ次期大統領国外企業に対する関税アップを伝えている。日本の皆さんは、トランプの評価が高い? こういう目新しいブラフに飛びつくので、安倍政権の支持率も60%を超えるのだろう。

トランプ次期米大統領は1日の演説で「米企業は今後、代償を負わずに米国を離れることはできない」と述べ、国外移転する企業の製品を米国に輸入する際に高率の関税を課す方針を表明した。国内雇用確保のため、民間企業の戦略に介入していく考え。カナダ、メキシコとの3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も表明し、企業や貿易相手国にこわもてで対応する次期政権の姿勢が明らかになってきた。


 「これこそ大統領の仕事だ」。トランプ氏は米中西部インディアナ州で演説、空調大手キャリアがメキシコへの工場移転を取りやめて約1000人の雇用を維持することを明らかにし、親会社の経営トップに直談判して得た「成果」として強調した。夫婦ともに工場で働くドーン・キナードさん(42)は「トランプ氏のおかげで住宅ローンを払い、子供を育て上げられる」と胸をなでおろした。


 選挙中、自動車大手フォード・モーターやキャリアを標的に工場の国外移転を批判し、メキシコから米国への輸入品には35%もの高関税を課すと唱えた。政権側が個別企業に経営戦略の変更を迫って応じさせるのは米国でも極めて異例だが、トランプ氏はこの日、「労働者を解雇するなら、その企業には代償として重い関税が課される」「国外移転を検討する企業には電話する」と述べ、移転阻止のため企業に圧力をかけ続ける考えを明らかにした。


 トランプ氏が米国内の製造業衰退の元凶とみなすのがNAFTAだ。関税の撤廃や引き下げが、賃金が安いメキシコへの工場移転を促しているためだ。NAFTAの再交渉は、メキシコとカナダが対米輸出に頼っているだけに、米国が巨大な購買力をテコに自国に有利なルール変更を認めさせる可能性がある。商務長官となるロス氏は「トランプ政権の通商協定の起点」と述べ、NAFTA再交渉に早期に着手する考えを示す。


 ただ、トランプ氏も圧力一辺倒というわけではない。法人減税や規制緩和のほか、米企業が国外にためた資金を米国に持ち帰る際の課税額を低く抑え、国内投資の活発化による雇用創出も描く。


 しかし、米製造業の国外移転は人件費の違いが主因との見方が強い。米メディアによると、キャリアはメキシコでの平均賃金を日給11ドル(約1250円)と見込んでいた。一方、米国は時給30ドル超と大きな開きがある。同社は今回の雇用維持と引き換えに10年間で計700万ドル(約8億円)の減税措置を得るが、他の工場のメキシコ移転計画は維持する模様で、トランプ氏の自信とは裏腹に製造業再興の道筋は見えていない。【インディアナポリス(米中西部インディアナ州)西田進一郎、ワシントン清水憲司】


キーワード・北米自由貿易協定(NAFTA)
 米国とカナダ、メキシコの3カ国による自由貿易協定。当初は米国とカナダの協定だったが、メキシコが加わり、各国の議会承認を経て1994年に発効した。関税の原則撤廃と投資の自由化を定めた協定で、米国から人件費が安く、規制が緩いメキシコへの産業移転につながり、メキシコの経済発展を促した半面、米国内では製造業衰退と賃金の伸び悩みを招いたとの不満が根強い。オバマ大統領は2008年の初当選時にはNAFTA見直しを掲げたが、その後、日本のほか、カナダとメキシコも参加した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉を通じ、環境規制や労働者権利の強化を図ることで、実質的なNAFTA見直しを目指していた。


問題は、この太字の部分。インディアナ州は次期副大統領ペンスが州知事を務めていたところで同州選出の現職下院議員。この演説当時は選挙キャンペーン中で、宣伝効果を狙い、この空調会社”キャリア”に対して、説得の出来レースを仕掛け、話を飲んだ同社にペンスの力で州から700万ドルの減税措置を行った。しかしこんなことが、すべての企業に行えるわけもない(だいたい行ってはいけない)ことはアメリカ中の企業が知っている。税金を使って引き止めるのだがその税金は一般国民が支払っている。この見返りに、大企業にもっと減税をするというのだから、詐欺としか言いようがない。


トランプ税制改革案には、法人や個人の幅広い減税が盛り込まれている。個人に対する連邦所得税率を現在の7段階から4段階に簡素化し、所得税を支払う必要がない最低所得層を拡大すると同時に、最高税率を39.6%から25%に引き下げる内容を示している。


 「アメリカ国民の大半、中間層に大きな減税を提供する」とアピールし、「制度の簡素化と減税で個人消費や投資を喚起し、経済成長を最大化する」としている、が待て待て、 低所得層の所得税をゼロにすると公約しているが、現行制度でもアメリカ国民の45%は所得税を払っていない。トランプの税制改革案では、この層が50%に増えるだけなので、中間層への減税といっても大きな内容ではない。


 これに対し、高所得層は最高税率が現行の39.6%から25%に引き下げられることで、減税効果が圧倒的に大きい。また法人税も現在の35%から15%に大幅に引き下げ、遺産税(Estate Tax)も廃止すると掲げている。これも、会社経営者や多額の資産を有する富裕層に対して有利な内容と批判されている。


話を戻すと、この関税政策は、財源のあてのないインフラ整備とともに共和党から猛反発を受けている。インフラは財源を企業、裕福層増税するといえば、民主党の政策になるが、トランプの場合、上記のごとくで、財源ははっきり言わない、お得意の”素晴らしいアイデア”のみ。これでは素晴らしいプランもないに等しい。


100歩譲って海外の安い人件費をもってしてもわりに合わないほどの関税をかければ、国内雇用が増えるとしても、それによって、物価は高騰するということだ。お金持ちのトランプは気がつかないかもしれないが、低賃金労働者には低価格の生活必需品が必要だ。
安価で大量に出回っている商品に国産品はほとんどない。アメリカの誇り自動車だって、部品は海外製品。


今、なくてはならない、スマートフォンやインターネットにかかわる製造は、国内の労働者では手にあまるという技術的な部分もある。そうした諸々の問題の発生、派生を見越し、注意深く練りに練ってから発表する、かつ賛同できる議員との交渉を水面下でして議会に提出するのが、大統領とホワイトハウススタッフの職務。  


彼の政策は、ただの注目集めのブラフであるため、メディアからの検証や反論を受けないで済むツイッターでの発信を多用している。”トランプ氏の自信とは裏腹に製造業再興の道筋は見えていない。”当たり前だ。



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