密接な関係にある他国から

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アメリカの苦渋 在アッポレ医師団の手紙

オリンピックでは、シリアの選手(政府に認められた人たち)と、国を追われた難民チームの選手たちが、平和とフェアープレーのもとに競い合っている。


しかし、シリア国内は惨状を極めている。アッポレで働く医師団が、オバマ大統領に手紙で、支援の要請を行ったことを明らかにした。

(CNN) 「涙も同情も祈りも不要。必要なのは行動だ」。シリア東部の激戦地アレッポで活動する医師15人が12日までに連名でオバマ米大統領に宛てた書簡を公表し、現地の窮状を訴えて具体的な行動を要請した。
アレッポでは反体制派が1カ月に及んだ政府軍による包囲を破ったが、まだ平和には程遠い状態が続く。市民は戦闘に巻き込まれて身動きできず、基幹インフラは破壊され、人道支援物資の供給は限られている。15人の医師たちは、今もアレッポに残る30万人のために、負傷者や病人の手当てを続ける。



書簡では米国の対応について、「包囲を解除させようという努力も、市民を守るために影響力を行使しようという姿勢さえも見られない」と批判した。
アレッポ東部は2012年から反体制派が支配してきたが、政府軍に包囲されて支援物資の供給ルートは断たれ、非政府組織(NGO)のシリア人権監視団によれば、80日間続いた戦闘で市民を中心に6000人以上が死傷した。



医師団がここで言外に訴えているのは、政府軍への軍事攻撃だろう。
オバマ大統領は、中東への軍事介入がたとえ人道的目的であっても、状況を改善せず、
別の方策を立てるべきと考えていると思う。アメリカは誤爆等で避難も受ける、しかし
助けないとまた非難を受ける。まあ非難は何をやってもついてまわるものだが、多くの人の命に関わる選択、行動することで非常に危険なバランスである中東情勢に新たな火種を投入することになりかねない。


シリアの後ろにロシア、最近トルコのエルドアン大統領も、在米のイスラム指導者フェトフッラー・ギュレン師の身柄の引き渡しを米国に改めて要求した。

「トルコを取るか、”フェトーギュレン師が率いる運動”を取るか」などと強気の物騒な申し入れをしている。

ギュレン師は今回のクーデター未遂については何の関わりもないと言っている。


オバマ米大統領は、「法的なプロセス」を経たうえで、関連する法律や条約に照らして引き渡しの要求が正当化された場合のみ、ギュレン師の身柄移送に応じる可能性があるとしてる。

エルドン大統領も周りが見えなくなっているのか?ロシアを訪問し関係の悪かったのプーチン大統領と会談したという。今回強気の申し入れに、ロシアが絡んでいる?


アサド政府軍に対する対応も、
「米国は繰り返し、アサド政権によるアレッポなどシリア各地での医療施設に対する無差別な爆撃を非難してきた」と強調。国連と連携し、ロシアとも対話しながら暴力を抑え、人道援助をアレッポに届けるための外交手段を見付けると表明した。
やはりロシアとの関係が緊張してきているので、舵取りが難しい。


この反応について、書簡に署名したシリア人医師の1人は、ホワイトハウスの反応にショックを受けたと語り、「ロシア空軍が我々の頭上にいて、想像できる限りのあらゆる武器で我々を攻撃しているのに、人道支援や交渉や外交努力について語るのは大きな皮肉だ」「ホワイトハウスは何が起きているかを知っているはず」と批判した。


同医師は、アレッポで10日に化学兵器が使われた疑いもあり、そうした中でのオバマ政権の反応はあまりに鈍いと指摘する。


オバマ大統領も苦渋の思いであろう。医師の指名は魔の前の命を助けること、しかしアメリカもブッシュ2政権による無謀なイラク戦争の結果を受け、泥と化した、中東情勢に人道的緊急性で行動しても、被害はより大きくなることを理解して、最善を模索しているのだと思う。


やはり軍事介入より、外交。国際世論をバックに、経済制裁などの可能性を持って、アサド政権に、アッポレの人たちを助けるための、緊急対策として一時の停戦、物資、医療支援を申し入れるしかない。それも急場凌ぎだが、本当に緊急性を要する事態だ。
アレッポの医療施設は17時間ごとに攻撃を受けているといい、このままの状態が続けば1カ月以内に同地の医療は壊滅状態になると予想。「アレッポへの恒久的なライフラインが開通しなければ、再び政府軍に包囲され、飢えが蔓延(まんえん)して病院の物資が完全に底を突くのも時間の問題だ」「死がますます避けられない状態になりつつある」と危機感を示した。


国連の報道官によると、アレッポでは200万人以上が電気を使えない状態にあり、井戸やタンクに残ったわずかな水ではシリアの夏の猛暑の中で、この人口を支え切れない状態に追い込まれている。


医師団は言う


「私たちが最もつらいのは、誰を生かし、誰を死なせるかを選ばなければならないことだ。幼い子どもたちが重傷を負って救急室に運ばれてくれば、可能性が大きい方を優先せざるを得ない。助けるための機材がないこともある」。そう医師団は伝えている。
「2週間前、爆発で保育器への酸素の供給が断たれ、新生児4人が空気を求めてあえぎながら窒息死した。まだ始まったばかりの命が終わった」

「それでも私たちはここにいることを選び、助けを必要とする人たちを助けると誓った」


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