密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

性の表現と禁忌

フランスのテロは,合計120人もの犠牲者が出ました。NYのフランス領事館前は、念のためNYPDが不審者の警戒,ただ,市民は花やロウソクをおいて,哀悼の意をしめしています。本当にやるせない思いです。心ない人たちのイスラム教徒の人たちへの、意味の無い恐怖、弾圧の切っ掛けとしないよう、正しい認識が必要です。亡くなられた方々の魂の安らかなることをお祈りします。


さて、日本のアニメ、コミックの性描写特に、子供や10代の少女を題材にしたものを,なぜ,日本は取り締まらないのか、と批判を受けているようです。性の商品化、若い(若くなくても)女性を、男性の性の処理に利用する事は,法律、社会倫理で取り締まらなければなりません。ただ、創作物の規制となると
そう単純ではない。芸術の歴史の中には、反社会的であったり、社会の禁忌に踏み込んだりした作品がたくさんあります。サディストの語源の サド侯爵の文学(背徳的不行幸がたたり、牢獄と精神病院に収監30年。ほとんどの作品はその間で書かれ,当時は評価されなかった)思想家ジョルジュバタイユの眼球潭、マダムエドワルダ等の小説、喜多川歌麿に代表される枕絵、バタイユの小説のイラストも担当した、ハンスベルメールの作品などのです。以下ベルメールのドローイングとオブジェを紹介します。

通常の倫理観からすれば,明らかに病気です。死物愛や幼児性愛の視点も感じます。取り締まり廃棄させるべきでしょうか?世界中の近代、現代美術館の収蔵され、今の日本の現代アーチストで、この人の作品を嫌いだと云う人はまずいないでしょう。心の闇の部分からでて来た情動を,結晶化させ美を突きつけている。それでも、アートに興味の無い人が見ると気持ちの悪い病的な物にしか見えないーこれもあたりまえです。ですが,人間の社会がその時代の倫理,政治的意図で統一され、善し悪しや倫理観もコントロールされたら、こんな恐ろしい世の中はありません。”美しい日本”観の押しつけをしたい人たちの憲法改正案まででてきている、多様な価値観を受け入れない社会は,動脈硬化を起こします。日本のアニメは確かにエロティックな表現が必須とばかりでてきます。海外で大人気でアメリカの若手映画監督たちに影響を与えている『攻殻機動隊』も、最初見たときは、草薙素子少佐のコスチュームの奇抜な露出に引きまくりましたが(人気が出始めのレディーガガがまねした衣装来ていた,それで,ホットドック買いに街を歩いていて、、)大変すばらしいアニメで,日本のアニメが海外で評価されるのもうなずけます。


幼児などを扱ったアニメ、コミックは見た事がありませんが、過激な物の取り締まりをはじめると、そこからどんどん,倫理観の押しつけ競争になっていく危険があり、賛成できません。自身の性のはけ口を自分を脅かさない創造物にもとめ、想像の中でさえ自分に対して無力な少女を対象にしなければならない、消費者の男性諸氏の臆病な社会や人間との関わり方を問題としないといけないのではないかと思いますが、心の問題でもあり、闇雲の糾弾してもよい方向にはならない、もっと経済的安定や自己実現の多様性などの出来る社会になると,少し変わってくるかもしれません。大人になるー子供を持つとか、個人の成長の問題でもあると思います。それにしても、日本の男性は”アリス”が好きなんですが、このアリスの生みの親ルイスキャロルも、数学や不思議、鏡の国アリスなどの評価は高いが,彼の写真+人格評価-病気(変態)。このキャロルの写真集が日本で発売されて飛ぶように売れました。


心の闇と拘泥したいと云う欲望は、人間の中にある複雑さの一つ、ただ、それを,自分以外の対象にどんな形であれ押し付ける事は,犠牲を強いることは、絶対に許される事ではありません。その混同をあおるような,出版物、サイトは取り締まるべきだと思います。



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