密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

虎の威を借る安倍政権、対外交渉の政府翻訳に要注意

ケリー国務長官および英仏外相が、慰霊碑に献花。長らく封印されてきたアメリカとの、
原爆投下問題の扉を開けたのは、偉大な安倍政権では絶対なく、日本の右傾化、核保有に懸念するアメリカだったのだと思う。日本では、アメリカは日本の軍拡を奨励しているように報道されるが、トンデモトランプおよび共和党極右はともかく、今の民主党オバマ
政権は、極東の第二の独裁者を巧く導く作を講じていると見える。


オバマ大統領も広島訪問の可能性も高い、それは、人道的な意味合いと、核兵器拡大を抑止して行きたいアメリカが、昨年、被爆70年の広島平和式典の演説で、歴代首相が必ず明言してきた「非核三原則」についぞ言及しなかった安倍首相の、最近の積極的核販売、
軍拡、無理矢理意見の集団的自衛権行使容認議決、そして将来の核兵器保有という段階を止める為にも、有効であろうと思われるからだ。オバマ政権は、私から見て歯がゆいほど、一国首相たる安倍氏の尊厳を損なわないように配慮しつつ、誘導を試みている。


だが不幸にしてこうした、誘導の結果が、安倍政権の手柄として次回選挙の追い風に利用されるという矛盾、懸念は大きい。ケリー・ヘーゲル千鳥ヶ淵戦没者墓苑への献花・韓国との和解(最終的不可逆的?)そして、今回のケリー氏の慰霊碑に献花に続き、米大統領として初の原爆慰霊碑訪問、この流れを見れば、オバマ政権の日本に望んでいる事が解る。けして、アメリカの軍備の肩代わりをして欲しい訳でなく、核兵器拡散、戦争ビジネスに参入して欲しい訳なく、アジアの平和と安定の要になって欲しい、少なくとも軽率な火種の行動は慎んで欲しい、と思っていると、私は信じている。


ゲンダイの記事も、今回の成果を我が物顔に宣伝する安倍政権への懸念を報じている
ゲンダイ:大新聞は選挙PR屋か “サミット礼賛”チョーチン報道
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179380/1
原爆を投下した米国を筆頭に、核保有大国である英仏の現職外相が初めて平和記念公園を訪れ、慰霊碑に花を捧げた。外相ご一行は平和記念資料館の他、当初の予定になかった原爆ドームも見学。そして、核軍縮に向けた「広島宣言」を採択した。それだけの話だ。



 これを岸田外相は自ら「歴史的な日」「歴史的な一歩」と強調。菅官房長官も会見で「この成果を伊勢志摩サミットにつなげていきたい」と自画自賛していた。たかが外相会合で、原爆関連施設を見ただけのことで、ずいぶん仰々しい。しかも、会合の中身をよく見れば、看板に偽りアリもいいところなのだ。


「広島宣言は、核兵器が『非人道的である』という言葉が核保有国の反対で削られ、核軍縮のための具体的な方策も盛り込まれず、すっかり骨抜きです。そもそも、核不拡散をうたったところで、肝心の中国とロシアが参加していないのだから意味がない。もはや、G7だけですべて決められる時代ではないのです。


 外相会合で主要議題になるはずのテロや難民の問題では、まったく進展がなく、日本はこれらのテーマでリーダーシップを発揮することもできない。メディア報道では、すごいことをやったというムードが流されているので、国民もそう思ってしまうかもしれませんが、実際は成果らしきものは、ほとんどありませんでした」


この広島宣言の核兵器を『非人道的』とすることに、核保有国の反対と云うが、どの程度、どういう経緯、言葉で反対したのだろうか? 核兵器が『非人道的』な武器である事は共通概念であると思う。銃について賛否両論真っ二つのアメリカでも、核兵器を人道的武器という認識を表明する人は(必要、不必要の議論は分かれるが)いない。ましてや日本人の前で核兵器肯定の話をする非常識な人間も0ではないが、少なくとの、慰安婦が非人道的な戦時下暴力であったとする認識を否定する、韓国の人の前でそう主張する日本人より、明らかに数少ない頭のいかれた差別主義者以外はそんな事は言わない。


一体誰が、どんなステイツメントデ、核兵器が非人道的でないなどと、言ったのだろうか。日本国民として、その人の名前と、理由を明らかにして欲しい。
こんな事を外交上の譲歩とする政府は、負け犬根性丸出し、誇りも尊厳もない。
あるいは、誰かが言った事にして、自分たちの利益を擁護しているかだ。


対外関係を利用して、言葉の違いを利用して、我田引水は、自民党政権の得意技。
国民の、そろそろ疑ってかかる時期である。


■「非人間的な苦難」は意図的な誤訳か


 新聞各紙の報道によれば、広島宣言には、原爆投下が「極めて甚大な壊滅と非人間的な苦難」を引き起こしたことが明記されているという。だが、英語の正式文書を読むと、この部分は〈immense devastation and human suffering〉とある。〈human suffering〉は「人間の苦しみ、人的苦痛」のことだ。これを「非人間的な苦難」と訳すのは無理がある。「非人間的」というなら〈inhuman〉のはずだ。広島宣言のキモになる部分で、海外向けと国内向けを使い分けているとしたら、大問題だ。


という見方はいい傾向である。ただし、これは深読みしすぎ。human suffering=人間の苦難 inhuman suffering=非人間(的)の苦難 あるいは、非人道的苦難、超人的苦難、残酷な苦難、と苦難につく修飾語としては、日本語でも著つとおかしい。原爆によりくなんをうけたのは”人間”であり、特にinhumanに拘泥する事はなく、返ってネイティブは意味は解るが外国人の表現(不味い英語)で、このようには使わないそうだ。


これが、兵器につくと、非人間的な兵器、非人道的な兵器、でより、make senseになる。 疑いどころを、どこの国が、どういう理由で、どのような文言で『非人道的な兵器』を盛り込む事に反対したのか?そちらの方を調べて欲しい。


他国が核兵器を非人道的兵器ではないと明言している事は、唯一の被爆国日本として、許してはいけない認識のはず。



「靖国神社の英霊には『尊崇の念』を表明するのに、被爆者には冷淡で、武器転用される可能性のある原発輸出にシャカリキ。それが安倍右翼政権の本質です。岸田外相の選挙区だから、外相会合を広島で開催したのでしょうが、この政権には、被爆者への真摯な思いも核廃絶への強い意志もない。外交パフォーマンスに被爆地を利用しただけなのです。原爆投下から70年経って、ようやく米国の国務長官が広島を訪問したことには確かに意義がある。かなり好意的に報道されていますが、ケリー国務長官のコメントは意味不明でした。立場上、謝罪できないのは仕方ないにしても、『初めて広島を訪ねた国務長官であることを光栄に思う』という発言には違和感を覚えます。被爆者との対話もなく、通り一遍の共同声明で幕を閉じてしまったことに疑問を呈すメディアがなかったことが問題です」(政治評論家・本澤二郎氏)


『初めて広島を訪ねた国務長官であることを光栄に思う』”be proud of”なら違和感、 I am an honorなら、これは、謙譲の意味が含まれる.相手を尊敬して、尊重しての、言葉で、英語には、日本語のような遜りの表現は十分にない。こういうと事にかちんと来ていては、いけないと思う。 ケリー氏は戦争の悲惨さを身を以て体験している人で、幾つかの銃弾を体に受けている。国に忠誠第一のベトナム戦争時代のアメリカで、帰還後一貫して大きな反戦運動を展開した。
言葉尻、しかも、大きなベースの文化的違いに抵触する部分を捉えての批判をするのは、
どうかと思う。謝るなら徹底的にへりくだって、自己の尊厳も差し出して土下座まで求める日本の謝罪と、もっと合理的に、過ちを犯しても、謝罪する意志を認め、本人の尊厳まで叩き潰さないアメリカ。とても違う。


はっきり言えるのは、外国とのやり取りに、政府が間に立つ場合、この政府の翻訳が要注意である。


PVアクセスランキング にほんブログ村
ランキングに参加しています。宜しかったら
下のバーナーをクリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村