密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

「正しいだけでは組織は動きません。」が日本の正論である以上安倍ウイルスは生き続ける。

桜問題が安倍悪政(いやもはや政治ですらない)の象徴なら、コロナウイルスによって日本社会の悪しき”常識”が表に出てきている。変な自己責任論、冷静さを欠いた差別などのそうだ。しかし今回は、「正しいだけでは組織は動きません。」という多くの人がそのとうりだと頷く常識を取り上げてみたい。


自分の国で起こりつつある感染症の蔓延に危機感を募らせ、知人のつてでダイアモンドプリンセス号の様子を見に行った岩田教授。何も聞き入れられずに数時間で追い出され、しかしこのままでは大変なことになると、個人が矢面に立って船内の問題点を告発し、また国際世論を動かすべく英語でも発信した。


これを受けて教授の乗船を助けた、高山医師は当然苦しい立場に置かれただろうし、岩田氏もそれを望んだわけではないだろう。国際世論と世の中の目をクルーズ船に向けることで、目的も達した岩田氏は、多分高山氏の苦悩を考慮して動画を削除、また削除理由を医学的見地の誤りからではないと明言。外から揺さぶりをかける以外、密室隠蔽完了主導は動かしようがない、そう判断しての緊急時行動だと受け取れる。


かたや高山氏の反論は、日本人のメンタリティーにぴったりくる、イラクで人質になった日本人ボランティアに対するバッシングなどもそうだが、個人の突出した行動には否定的で、何かあれば一斉に攻撃に転じる日本人に受け入れやすい主張でもある。


しかし、「正しいだけでは組織は動きません。」「正論は実現性がないー共産党に対する反発でよくこういうのを聞くー」は本当だろうか? 以下高山医師の投稿


「『DMAT(災害派遣医療チーム)として入る以上は、DMATの活動をしっかりやってください。感染管理のことについて、最初から指摘するのはやめてください。信頼関係ができたら、そうしたアドバイスができるようになるでしょう』と(岩田医師に)申し上げました。」
誰との信頼関係でしょう?本来なら被災している地域社会・住民、感染患者、現場で指示を待つ職員なのですが、どうもそうではないように思えます。


「いきなり指導を始めてしまうと、岩田先生が煙たがられてしまって、活動が続けられなくなることを危惧したのです。」
誰に煙たがられるのでしょうか?自分も不安の中にある船の従業員や適切な指示を待つ現場作業に従事している人たちが、経験のある専門家を煙たがるとは思えません。


「岩田先生の感染症医としてのアドバイスは、おおむね妥当だったろうと思います。ただ、正しいだけでは組織は動きません。とくに、危機管理の最中にあっては、信頼されることが何より大切です。」


問題は”おおむね妥当だった”意見を聞く耳も持たず、自分たちの権威・立場の優位性にこだわる政治家・官僚が現場を指揮し、専門家の邪魔をしていることにあるのではないでしょうか?また通常ではそうした人のご機嫌を取らなければ、有効なシステムや研究が行えない、あやしたりひれ伏したり”非効率的な信頼関係”を作ってやってゆくことでしか物事を動かす方法がないと、諦めている社会です。


正しい法律やシステムを作る上で、この日本では高山氏のような忍耐強い方はとても必要だと思います。しかし、一刻を争う自体に、政治家や官僚様のプライドを優先させなくてはいけないとなると、死ぬのは感染者・一般市民です。ですから、非常時における岩田氏の行動は、友人(?)を傷つけても、緊急に状況を動かす必要を感じたゆえの行動でしょう。この判断力の速さは現場経験豊富な岩田氏ならではでしょう。


正論・理想論は役に立たない、信用できない、任せてもダメだ(任せたことはないけれど)こういう意識が、政治家の血筋・お家柄が一番、日本語は喋れなくてもアメリカ大統領と親友になれる。(トランプと親友・友人になれる人間はいない。彼がかろうじて信用するのは血の繋がった子供達だけ、それも自分に逆らわらなければだ。妻とは契約ベース。自分に服従する人間には、ニコニコと手をポンポンして、自分のいうことを聞かせる。トランプがシンゾーのために何かしてくれたことがあるか?何か日本に有利な条件を飲んだことがあるか?バンカーで転がる親友を一顧だにせず、手も差し伸べずどころか、待ちもせず、さっさと先にゆく。そして、後で笑い者にするそれをからかってを大勢の前で後で笑い者にする。それをまた、褒められたかのように吹聴する間抜け役が、我が国の首相で、自称トランプの親友で、安倍さんしかいないと言われるその人の実態だ)自分の仲間に国民の税金を再分配しても、公文書改ざん、隠蔽、恫喝、などなどの戦後自民党でさへこんなにあからさまにやったこともない、褒められない行いを続けても、それこそが、有能な政治家の証である、そんな認識がまかり通るこの国こそ、安倍ウイルスの温床だ。


ニューズウィークにコラムを寄せておられる、冷泉彰彦氏の日本の組織論が面白い

前略
ー日本の組織の「当たり前」ー
この高山医師のコメントもネットを通じて拡散されることで、岩田医師のメッセージと合わせて、「クルーズ船内部の防疫体制には問題がある」という事実が、ある種の客観性をもって社会に伝わったのは良かったと思います。


ただ、高山医師の「正しいだけでは組織は動かない」という指摘は、非常に重たいものがあります。これは、官庁、民間、学校から町内会に至るまで、日本の組織では「当たり前」とされている考え方です。


つまり人間は正論だけでは動かない、組織内の人々の自尊心を尊重しながら、心理的な不安感を除去して納得感を獲得する、つまり人間の理性ではなく動物的な感情面をコントロールしながら、人間関係のイニシアティブを取らなくては組織は動かないという考え方です。


特に日本に強い考え方ですが、アジアでも欧米でも組織と名のつくものには、程度の差こそあれ、そうした傾向はありますし、何よりも心理面や関係性をコントロールすることで、組織を動かそうという手法は方法論の違いはあっても世界中にあります。


ただ、今回のように未経験の危機、しかも人命に関わる危機を管理しなくてはならない、そのような極限的な場において「正しいだけでは動かない」という組織の弱さを露呈してしまうというのは、これは組織の作り方に問題があるのだと思います。


それは「権限とスキルの分離」ということを平気でやる文化ということです。


権限のあるところにはスキルがない、スキルは権限のないところから上へ上げなくてはならない、その際にさらに悪いことに「専門スキルだけでなく、一般的な管理スキルのない人材が、権限を持っている」という配置も平気でやる、これは大変です。


ー取り残された組織改革ー
そうなると、ネガティブ情報は上がらなくなり、正しいノウハウも上がらなくなって、トップの判断がエラーの連続になってしまい、組織全体が崩壊してしまいます。今回の「ダイヤモンド・プリンセス」の問題では、直接命に関わる問題になってしまっているのですが、その根底にはこうした組織の作り方をしてしまう文化があると思われます。


野党は、今回の件で批判を強めるかもしれませんが、民主党政権当時に「政治主導」を自称しながら、こうした組織づくりの欠陥には何の改革も出来なかったのですから批判する資格があるとは思えません。


それはともかく、「権限とスキルを分離」するだけでなく、「一般的な管理スキルもないところに権限を与える」とか、「年齢や過去の実績によって、自動的に権限を与える」といった組織づくりは、官民ともにあちこちで見られます。


今回の「ダイヤモンド・プリンセス」における危機管理については、岩田医師が動画削除後に行った会見で語っていたように、改善へと向かっていることを祈ります。


ですが、この失われた30年、いやバブルに浮かれて情報化、国際化、ソフト化を怠った80年代から数えると、失われた40年の間、日本の官民がこうしたリーダーシップの改革、組織づくりの考え方の改革を怠ってきたのは事実だと思います。そのことが、日本の官民の組織を崩壊させてきたのだと思うと、その重さには慄然とさせられる思いがします。


その極め付けが、”ネガティブ情報は上がらなくなり、正しいノウハウも上がらなくなって、トップの判断がエラーの連続になってしまい、組織全体が崩壊してしまいます。”どころか、ネガティブ情報は聞く耳もたず、正しいノウハウを持つ人間を排除し、
トップの判断がすべて個人的感情で、その感情に逆らわず、満足させるために組織が動くことで、組織全体が崩壊、法治主義も崩壊、民主主義も崩壊というのが今の日本です。


この日本人好みの「正しいだけでは物事は動かせない」と思うわりに、人々はヒーローを求め、ANAコンチネンタルに、安倍討伐の先陣を期待し、岩田教授に動画を取り下げず糾弾を続けるヒーローでいてほしいと願う。しかし、自分たちは何もせず、選挙の時には理想論・正論だけでは動かせない、と薄汚れ腐りきった政治屋の”経験”に一票を投じる。自分たちは理想に向かって冒険をせずにだ。


日本のヒーローは、職場では昼行灯と呼ばれ、家庭では無視され、ちょっとした賄賂を受け取り、機会があれば浮気もする、それでも、腹の底には怒りをたたえ、しかし、私憤ではなくビジネスが条件というルールを持ち、暗闇から、グサリ、と悪党を成敗してくくれる、それが日本型の最高のヒーローだ(中村主水は不滅です!!) それは人々が、餓えギリギリに追い詰められた百姓一揆でも、支配層ひっくり返すというところまで行き着けない、結局、権力者のお家柄のお忍びの老人のご威光で、助けてもらう、現状を改善してもらうことを待ち望むことにも表れている。


でも、水戸黄門も必殺仕事人もいない。西洋諸国、いやお隣韓国に学び、自分たちの手で、変えてゆくしかない。経験のないやつに任せられるか、などと言っていては、永遠に自民党がいてくれればいいということになる(まあ自民党が自浄作用を持ち、石破さんでも頑張ってくれればそれが多くの日本国民にとっていいことなのかもしれないから、石破さんにも頑張ってほしい)。


しかし、挑戦し、冒険し、現状を変える勇気を持たなければいけない時が来ている。
社会民主主義者のパワフル爺さんが大統領になることも、アフリカ系の大統領誕生以上に、挑戦であり冒険だ。そして日本にもふさわしいリーダーたちが生まれている。書を捨てて街に出た共産党のバラとピアノを愛する委員長、冷静な分析とまっすぐな怒りで庶民の先頭に立つれいわの切込隊長、彼らは、ただ政権を取ったことがないだけだ。


安倍さんの他に人がいない、って、それは、ただのドメステックバイオレンスの、ストックホルムシンドロームだ。支配され過ぎ騙され過ぎ!!!


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