受験生家庭に大きな負担を強いる英語民間試験の２０年度実施が見送りになった。
これも俺様萩生田様の傲慢発言のおかげだ。奢れるものはひさしからず、国民を舐めきった政権の上級国民意識が言わせた、身の丈発言。

それでも、これだけの反発が出るとは予想していなかったのだろう。教育無償化を掲げて、受験料は搾取するという矛盾。いかに教育無償が、その裏で、政府の助成金を身内にばらまく口実、消費税を上げるエサであるかをが露呈した。

そもそも、日本人は、文法に囚われすぎて、うまく喋れない。あるいは実用的でない英語を話してしまう。だから、ネイティブスピーカーの教師を雇って会話の授業をすることはいいことだと思う。ただし、その最初の英会話経験が、どこの国の英語か？ということに
もっと注意を注いでもいいと思う。

イギリス英語と、アメリカ英語は、表現の仕方や、発音もかなりがう。オーストラリア英語にもかなり癖がある。どの教師につくかで、聞き取り能力も含め、差が出ることになる。

これを一挙に大学入試試験に科すと、話すと聞くに、問題が生じる。
イギリス英語で学んだ友人は、アメリカに来て全く聞き取れないと驚いていた。確かに、アメリカ英語の中で暮らしているワタクシは”ダウントン・アービー”を見ていてわからない部分がある。BBCドラマは好きなので、少しは慣れて来たが、２・３年日本国内で勉強したくらいでは応用が聞くとは言い難い。

アメリカ英語でも、発音表現は地域によって異なり、また発音は人種、年齢（若い女の子の英語は早くって、また独特の舌足らず話法でわかりづらい）中国のマンダリンや日本の共通語のようなものは存在しない（が理想的な英語は存在する。ニュースキャスターが喋る英語だ）とはいえ、英語能力が低くても大統領になれる（日本も同じか、、）

日本政府は、どこの英語をテストに採用しているのだろうか？

高校生であれば、とにかく外国語に親しむという目的で聞く、話すを行い、大学生や社会に出て、どの地域での、どの分野でのコミュニケーションが必要かに応じて、英語の教育を選択するべきだろう。

大学から海外留学をしたい学生は、その国の大学が留学生に求める条件に応じて、（まあ主にアメリカの大学は、ＴＯＥＩＣだが）を受けて、必要ラインをクリアすればいい。

全ての学生が、ＴＯＥＩＣを受けて、１発で、いい得点を取るなど（たとえ２回でも）とても難しい。試験システムの慣れていないこと、緊張すること、準備していた英語と発音が異なること（これはそれ用の攻略テープがあるのだろうが、そういう対策ができなければ、頭が真っ白でアウトである）

NHKは準備して来た学校側、学生たちの憤りを報じている。

NHKニュースのタイトルは、不公平であるとの抗議の声ではなく、もうそのつもりで準備して来たのにと憤る高校側や生徒の側の声を取り上げている。
その制度が、いいことか悪いことか（必要か必要ないか）を議論せずに即対応してしまう。本当に日本は、すぐに対策を打つ名人だ。マニュアル化に長けていて、与えられた課題に忠実に行動する。しかしそれが本当にいいことなのか？与えられた課題に、疑問を持たず即座に対応スキルばかりが重視される社会は、為政者や支配者にとってとても都合のいい社会だ。

また無思考な英語偏重についても、国際感覚を養い、将来の仕事に生かすのであれば、選択置いて、中国語・韓国語・スパニッシュなども本当に必要だ。なんでも英語優先というのは考えが古い。アメリカでもスペイン語を話せるというのは大きな利点だ。医者にかかつても、問診票は英語とスパニッシュで表記されている。

日本も、中国・韓国語教育を（このバカバカしい嫌韓反韓が収束すれば）取り入れ、学生の選択しを増やすべきだ。英語だけが外国語、国際社会に対応などというステレオタイプはもう過去のものではなかろうか？それなのにここに来て、”話す”重視を理由に民間委託など、どうも取ってつけた理由に思える。その陰で、国語、数学の文章問題は民間委託が続行される。これも、どれほどのコストがかかるのか、業者の選定はどうしたのか、などもっと公にされてしかるべきである。

頭ごなしにこれが必要と教え込まれるより、必要を感じて学ぶ方がよほど吸収も早く、方向性も適切なものを選べる。共通試験など、これから、大学生になるものの最低限の学力、教養を見る程度でいいし、入学後に専門性の高いもの、より深いものこそ大学で学ぶべきことだ。それは英語も同じだ。一億総スピーキング・イングリッシュの”おもてなし”ができるより、自分の求める語学を、自分の必要な時に学べることの方がずっと大事だと思う。（とはいえ安倍総理は変なアクセントと妙なタイミングでの盛り上げ英語、なんとかしてくださいよ。）

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