密接な関係にある他国から

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民主党大統領候補ディベートにみる純粋な政治討論による向上心

今夜は2回目の民主党大統領候補による,ディベート。元国務長官ヒラリー・クリントン,自称民主社会主義者バーニー・サンダース上院議員、マーニィー ボルチモア州知事の3候補。様相は,共和党の猿山ボスざる争いの泥仕合とは,全くことなる。

純然と3氏の政策論争。民主党支持者は、”頭”でヒラリー,”心”でバーニーと云われているほど,バーニーサンダースの、社会はかくあるべき,と云う純粋な主張に魅了されている。不思議な事に、候補者から笑顔とユーモアがもれる。あてこすりや皮肉はない。

親しみと尊敬から出ているジョーク。マーニィー ボルチモア州知事は、ノーマークで希望はないのだが,この人も中々のもの、完全クリーンエネルギーと,銃規制(警官による暴力、過剰防衛自己の抑止−ボルチモアは警察官の黒人射殺で昨年4月大暴動が起こった。貧しい黒人も多く,犯罪の温床になっている地域もある。子供たちも貧困から抜け出せず親と同じ道を歩む事も多い) とんでもない相手とのディベートではなく、考えも共感できるが手法が違う、理想のある力量の高い相手との論争は,きっと楽しいのだろう。


バニー氏は」ある意味変人で、最も左よりの上院議員。前回ディベートで、常に横行する選挙戦に置ける個人攻撃を封印した一言を放った。
クリントンが国務長官時代に公務に私用メールを使用した問題で、他の候補のクリントンへの攻撃をそそのかす挑発に,サンダースは「政治的な発言ではないかもしれないが、私は(前)国務長官は正しいと思う。くだらない電子メール騒動に、アメリカ人はうんざりしている」と述べた。サンダースが原則を重んじる高潔な人物であると印象付けることになり、討論会は共和党のときのような個人攻撃に陥ることなく、驚くほど実質的な議論が続いたのだ。
また、クリントンは、「私たち候補者は目標については合意している。意見が分かれるのは手段だけだ」と発言した。
何となく日本の野党の,協議をしない、力の押し合いを思ってしまう。つまらない個人攻撃、枝葉末節より,国民の為に議論を戦わせようと云うバーニーの姿勢。それを受けて、意見が分かれるのは手段だけだとして、正面から向き合うクリントン。

岡田代表2008年にはヒラリーと並んで写真に納まっている。佐々木節さんは岡田総理説にも言及している。いいツーショットだけど、肩を並べるには、彼女の姿勢を、うんと学ぶ必要があるのではないか?

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ヒラリーもサンダースも政策はかなり違う、共産党と民主党の”超えられない政策の違い”くらいの違いは十分ある。しかし、彼女は”目標については合意している。意見が分かれるのは手段だけだ”といった。この目標とは、民主主義の国アメリカの国民を幸せにする事,より良い社会を作る事。そのために、手段の違う相手との討論,協議を拒絶しない。議論する事でよりよい道を見いだす。


ちなみに志位委員長はバーニーサンダースの躍進にふれ、社会格差の是正は資本主義社会の行き詰まった国の国民が望み始めていると、格差是正への取り組みの必要を再確認している。共産党の政策も全く受け入れられないどころか,話し合いでより良い道を見つけてゆくのに必要でさえあると思う。民主主義の基本は話し合い、候補者調整の協議も拒否するような考えの政党に民主主義政治なんか出来る分けない。 


以下ニューズウィークの最初のディベートについてのとても良い記事なので前文転載します。日本もこういう感じが欲しい。これが民主主義の先輩アメリカ。

トランプなんか目じゃない。


http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-4033.php

迫力はトランプに匹敵するバーニーサンダース。ぐいぐい引き込まれ共感を呼ぶ。
Newsweek:ヒラリーと民主党を救った社会主義者サンダース ミシェル・ゴールドバーグ


先週行われた米民主党の大統領選予備選の候補5人による公開討論会がお決まりの泥仕合に陥らなかったのは、バーニー・サンダース上院議員の手柄だ。
 


司会を務めたCNNのアンダーソン・クーパーは、「アメリカの大統領選挙で社会主義者が勝てるだろうか」とサンダースに問いただした。社会主義者を自称する最左派のサンダースは、ひるむことなく北欧式の社会民主主義を擁護した。
 


これに対し、ヒラリー・クリントン前国務長官は真摯な言葉で資本主義を擁護した。「アメリカはデンマークとは違う。私はデンマークが好きだ。でも、アメリカがやるべきことは、行き過ぎた資本主義の手綱を締め、今の経済体制にみられるような格差を生まないことだ。史上最大の中流階級を築いてきたものに背を向けるのは、由々しき間違いだろう」
 


ここで守勢に立たされたのは、サンダースではなく資本主義だった。その意味で、サンダースはアメリカの進歩主義を大きく前進させている。 実際、討論会の勝者はクリントンだったが、議論はサンダースを軸に進んだ。クリントンは最初から、サンダースの支持層に訴えようと努めていた。
 


進歩主義的な政策を最もうまく遂行できるのは誰かという話になると、クリントンは、「私たち候補者は目標については合意している。意見が分かれるのは手段だけだ」

と言った。サンダースが国民皆保険に近い社会保障を目指していることを考えれば、驚きの発言だ。
 


民主党は、社会保障制度は財政破綻の危機にあるという保守派の前提に立ってきた。

しかし今回、社会保障の拡充について、クリントンは「最貧困層への支援を増やしたい」と語った。不法移民に対しても州内居住者と同じように大学の学費を優遇している州については、クリントンは次のように述べている。「そうした州を支持し、より多くの州が同じ対応をするように奨励していきたい」


<個人攻撃を封印した一言>
 銃問題でもクリントンは左派を意識し、サンダースが規制強化に反対してきたと批判した。「国を挙げて全米ライフル協会(NRA)に立ち向かうべきだ」 討論会には、ベトナム戦争で従軍経験があり、レーガン政権で海軍長官を務めたジム・ウェッブ元上院議員もいた。8年前はオバマの副大統領候補として有力視された彼が、場違いな過去の亡霊に見えたことは、民主党が中道路線にこだわるのをやめて、堂々とリベラルを主張しつつあることを物語る。




 サンダースが最も注目されたのは、クリントンへの攻撃をそそのかすクーパーの挑発に乗らなかったことだ。国務長官時代に公務に私用メールを使用した問題で質問を浴びるクリントンに、サンダースは助け舟を出した。「政治的な発言ではないかもしれないが、私は(前)国務長官は正しいと思う。くだらない電子メール騒動に、アメリカ人はうんざりしている」
 


これはまさに政治的な発言だった。サンダースが原則を重んじる高潔な人物であると印象付けることになり、討論会は共和党のときのような個人攻撃に陥ることなく、驚くほど実質的な議論が続いたのだ。 サンダースは最有力候補を引きずり降ろすことよりも、自身の考えを突き詰めることに関心があるようだ。政治家として、実に稀有な心構えだ。

より進歩主義的なアメリカを求めるクリントンの支持者は、彼女の挑戦者に感謝するべきかもしれない。


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