密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

トランプ日米同盟解消ブラフのG20効果

もう少しまとも国の代表なら、何の心配もいらないのだが、我らが安倍総理の場合、そうもいかない。日本を脅してより有利な交渉を成立させ、他の同盟国への影響拡大しようという意図も見える(まあ他の同盟国はそんなことで動かないと思うが)


前の記事でも書いたが、日米同盟はトランプが思っているようなものではない。
破棄を言い出して、困るのはアメリカだ。日本から日米同盟・地位協定見直しを言い出しにくい歴史的経緯があるなら、相手から言ってくれた見直しのチャンス。残念ながら安倍首相では決して日本に有利に働く交渉にはならないだろう。それどころか、”日本のタンカーが攻撃された、侮辱された”と米高官がコメントを出し、そのことは、近い将来日本が当事者として、イラクとの戦争に参加させられる布石になるかねない。


中東情勢と米国の動きと日本の今後の関わりで、日刊ゲンダイの現代イスラム研究センター理事長・宮田律氏のコラムが面白かったので転載します。

G20大阪サミットで来日したトランプ大統領は、28日、安倍首相との会談で「軍事、武器について協議する」と語ったが、あらためて軍事について米国の利益を最優先させる姿勢をあらわにした。そうした意図は、トランプ大統領が日米安保の破棄に言及し、またホルムズ海峡を航行するタンカーに日本や中国の自衛を求めたことにも見られた。6月13日に起きたオマーン湾でのタンカー攻撃について、米国による「イラン犯行説」をイギリスは支持したものの、イランとの緊張で米国に協力する先進国の動きはほとんど見られない。トランプ大統領の発言は、かりにイラン戦争という事態になったら、日本にも協力を促すというメッセージが込められているのかもしれない。


■ペルシア湾に米軍は不要
そもそも、ペルシア湾岸までのシーレーンには日本のタンカーを攻撃する主体となるような国家は存在せず、タンカーに対する脅威はほとんどないように見える。あるとすれば、海賊や武装集団だが、ソマリア沖・アデン湾における海賊の発生件数は、自衛隊も参加する多国間での海上警備活動などで2018年が3件、2019年も3月までが0件と、ピークの2011年の237件と比べると激減している。海上警備活動には2009年の時点で25カ国余りが参加するなど、米軍だけの軍事力で海賊の活動を封じているわけでは決してない。
日本は、タンカーの航行にとって死活的と見なされるホルムズ海峡を挟むイランとも、オマーンなとも良好な関係にある。これら二国を含むペルシア湾岸諸国との安全保障協力は有効に機能するはずである。

19世紀にロシア帝国主義に苦しめられたイラン(当時はカジャール朝ペルシャ)では、1904年~1905年の日露戦争で当時はアジアの日本がロシアに勝利したことについて驚嘆の思いが生まれ、憲法がないロマノフ王朝のロシアに日本が勝利した背景には明治憲法があったという結論にイラン人たちは至る。そこでイランでは自分たちも憲法をもとうという運動である立憲革命(1905~1911年)が起こった。イランの詩人ホセイン・アリー・タージェル・シーラーズイーは次のように日本を称える詩を詠んだ。


〈東方からまた何という太陽が昇ってくるのだろう。眠っていた人間は誰もがその場から跳ね起きる。文明の夜明けが日本から拡がったとき、この昇る太陽で全世界が明るく照らし出された〉


■「おしん」の最高視聴率が90%を記録したイラン
1950年代初頭にイランがイギリスの石油施設を接収すると、イラン石油が国際市場から排除されたが、それでも日本の出光のタンカーが買い付けに出かけ、イランで熱烈に歓迎された。日本のドラマ「おしん」はイランでは最高視聴率が90%を誇るほど人気があった。

また、日本とオマーンとの親密な関係は日本ではあまり意識されていないことだろう。日本がこの国と交流するきっかけとなったのは、1924年、日本の地理学者・志賀重昴氏がオマーンの首都マスカットを訪問し日本の風俗や習慣などを紹介したことだった。オマーンの石油輸出先のトップは日本、日本で消費されるインゲン豆の半分以上はオマーン産だ。オマーンの先々代の王妃は日本人女性で、日本人の血が流れるブサイナ王女(1937年生まれ)もオマーンにはいる。他方、オマーンで走る自動車の大半は日本車で、日本の家電製品も好まれている。サッカーが盛んなオマーンでは日本のアニメ「キャプテン翼」も子供たちの間では人気があり、少年たちが集まって食堂で「キャプテン翼」を見る光景も目にしたことがある。


■日本ペルシア湾諸国と協調すべき
日本は、多くの点でペルシア湾岸諸国と協調していったほうが日本の安全にもかなう。たとえば、タンカーの安全への脅威の一つである「イスラム過激派」はイランやオマーンを含めて湾岸諸国は深刻にとらえており、過激派対策でもこれらの国は日本と協力するに違いない。過激派の勢力伸長になっている人口増加や失業、貧困などは日本もその改善のためにいっそうの役割が果たし得る分野であり、社会福祉に対する援助は、弱者救済というイスラムの徳にも通じ、日本のイメージアップともなり、日本に対するテロの動機を奪うことにもなる。


■「自国のタンカー防衛は自国で」と発信したイランの真意
2010年前後にペルシア湾の安全保障問題に関する会議に参加した際に、アラブの参加者からは日本の海上警備活動に感謝するという声も聞かれた。日本は、インドやアセアンなどタンカーのシーレーンに沿った諸国とは安全保障協力をすでに行っている。イランのザリーフ外相は、トランプ大統領が「自国のタンカーの防衛は自国で」と発言したことに対して「トランプ大統領は100%正しい」と皮肉を込めてコメントしたが、米軍のペルシア湾でのプレゼンスは、イランを対象に無人偵察機を送るなど、イランとの緊張を煽り、米軍の活動自体が重大な不安定要因になっている。シーレーンの安全を特に米国だけに依存する理由は見当たらない。

戦わないやつが戦争を奨励する(オマーンの格言)~曽野綾子『アラブの格言』(新潮新書、2003年)


トランプ政権のボルトン補佐官などの発言に接すると、まさにこのオマーンの格言の通りだが、トランプ大統領が口にする日米安保は、日本の基地負担になるばかりか、中東での米国の戦争に協力させるための口実にもなりかねない。米軍が日本の一島嶼を守るために、中国と戦争をするともまったく思えないし、日本は、アフガン、イラク戦争でも見られたように米軍の出撃基地となるなど日米安保は米国の戦略にとって不可欠であり続けている。少なくとも日本の中東政策を考える上で、日米安保は、自衛隊のイラク派兵のように、日本にとってはやっかいな存在だ。


アメリカのは前科がある。独立戦争のきっかけになった、ボストン・ティーパーティー事件だって、ネイティブ・アメルカンの扮装をして、お茶の葉の輸入線を攻撃した。
1773年12月16日の夜に事件は起こった。毛布やフェイスペイント等でモホーク族風の簡易な扮装をした3グループ、50人ほどの住人がボストン港に停泊していた東インド会社の船を襲撃。「ボストン港をティー・ポットにする」と叫びながら、342箱の茶箱を海に投げ捨てた。騒ぎを聞いて駆けつけた多くのボストン市民は、加勢も制止もせずこの様子を見つめていた。これが「ボストン茶会事件」と呼ばれる事件で、行動を起こしたのはボストンの急進派市民(自由の息子達)であり、組織化の中心となったのはサミュエル・アダムズである。 また、茶会事件を起こしたのはボストンのフリーメイソンのメンバーであるという都市伝説もある。メンバーがロッジで酒を酌み交わしていた時、一人が「海水で酒を飲んだらどんな味になるか」と酔った勢いでボストン港に向かったが、陰謀説をカモフラージュする為、酔った勢いだと釈明させたという説もある。
この時投棄された茶の損害額は1,000,000ドルに上るといわれ、この事件には植民地人の間においても賛否がわかれ、東インド会社の賠償請求に対してベンジャミン・フランクリンは私財をもって「茶の代金(茶税分を除く)」の賠償を試みようとしている(結局賠償はされなかった)。(By wiki)

もちろんこの背景には英国政府の高圧的な締め付けと軋轢が存在したのだが、紛争には爪に理由があるし、政治的行動ではないけれど、ネイティブ・アメルカンの扮装というのがいただけない。


ベトバム戦争のきっかけとなったトンキン湾事件もそうだ。
トンキン湾事件(トンキンわんじけん、英: Gulf of Tonkin Incident, ベトナム語: Sự kiện Vịnh Bắc Bộ / 事件灣北部)は、1964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件である。
これをきっかけに、アメリカ合衆国連邦政府は本格的にベトナム戦争に介入、北爆を開始した。アメリカ合衆国議会は、上院で88対2、下院で416対0で大統領支持を決議をした。しかし、1971年6月『ニューヨーク・タイムズ』が、いわゆる「ペンタゴン・ペーパーズ」を入手、事件の一部はアメリカ合衆国が仕組んだ物だったことを暴露した。(by wiki)


ありもしない生物化学兵器の保有を理由に、911で冷静さを失って好戦的になっていた国民世論を、アルカイダからイラクのすげ替え、父のやり残した打倒フセインを実現したブッシュ2 この凄惨な戦争のもたらした荒廃と遺恨は今なお続いている。この戦争wpデザインしたのがボルトンだ。


そして今度のタンカーだ。やり口が同じで見え透いている。国際社会は誰も狼少年アメリカのいうことには眉に唾。言いなり外交安倍首相を国の代表にいただく哀れな日本以外は。


次期選挙で政権交代は無理だが、安倍政権退陣に追い込み、この変動の国際情勢に中、日本に国益をもたらす、せめて石破茂氏くらいが総理になって、せいぜい安倍政権のトンデモ行政の尻拭いに腐心してもらいたい。


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