密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

米中絶禁止法、胎児の生命の尊重、生まれた後は軽視

共和党がトンデモ・トランプを応援する一つの根拠は、保守派の最高裁判事の任命。
オバマ政権時代、当然オバマ大統領にあった任命権を議会の力で捻じ曲げ、先送りにし、
共和党の大統領誕生で一気に、最高裁判事の保守化を進めることに成功した。


1973年に連邦最高裁が下した「ロー対ウェイド」判決では、アメリカ合衆国憲法が女性による中絶の権利を保障しているという判断を下した。これにより、人工妊娠中絶を規制したり禁止したりするアメリカ国内の各州州法は違憲となった。


だから、最高裁判事の保守派が多数派を握ることは、この判決を覆し、中絶禁止法の合法とする可能性が高まる。


この最高裁のバランスが変わったことにより、保守派の強いインディアナ・ミシシッピー・アラバマの各州で、中絶禁止法が成立した。


ただ、インディアナ州の同胞に対して連邦最高裁は堕胎された胎児を埋葬するという判断を支持した以外は、曖昧い判断を避けた。仮に最高裁がこの法律をめぐり、口頭弁論を経て判決を下すということになっていたら、人工中絶を女性の権利として認めた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す手段となっていたかもしれない。
保守派であり、リベラルであれ法の番人は法の解釈に基づいて判断を行う。保守的傾向が強まってもその点は軽々に「ロー対ウェイド」判決を覆すことはできないことを願う。


そしてルイジアナ州でも同法が制定

米ルイジアナ州での中絶禁止法成立に抗議する人々/Chris Granger/AP
CNN) 米ルイジアナ州のジョン・エドワーズ知事(民主党)は30日、心音が確認された胎児の人工妊娠中絶を禁止する法案に署名し、成立させた。
同法案は29日に賛成多数で同州下院を通過していた。「心音が検出できる出生前の人の中絶を禁止する」と規定している。心音は早ければ妊娠6週間で確認できる。この段階では自分が妊娠していることに気付かない女性も多い。
人工妊娠中絶を規制する同様の法案は、ミシシッピ、ケンタッキー、オハイオ、アラバマの各州も通過させている。
このうちミシシッピ州の法律については連邦控訴裁で争われており、担当裁判官は、同法が性犯罪の被害者や近親相姦による妊娠も例外扱いとしないことに対して強い懸念を表明していた。
ルイジアナ州法の施行は、裁判所がミシシッピ州の法律を支持する判断を示すことが前提となる。
「生命尊重」の信条を掲げるエドワーズ知事は29日の声明で、「私はこの問題について約束を守り、自分の信条に従ってきた」と述べ、「生命尊重は単なる出生尊重よりも大きな意味があると、心から信じる」と強調した。
米自由人権協会(ACLU)ルイジアナ支部の代表は29日、CNNの取材に対し、「ルイジアナ州と全米の女性が、刑罰や偏見なしに安全で合法的な中絶治療を受けられるよう尽力する」とコメントした。


この写真ニューオリンズの中絶法反対デモ、ニューオリンズは保守派の強いルイジアナ州において唯一アフリカ系が生き生きと共存できる、自由の都市。多くのミュージシャンが暮らし、’街角では常にジャズやケイジャンの音楽が演奏されている。マディグラと呼ばれるカーニバルも有名で、このデモも、ニューオリンズらしいアーティスティックないでたちで、多分赤いフードのコートには意味があるのだろう。


アメリカの保守派の考えの相当狂っているところは、たとえ、低年齢であっても、レイプ(近親者による、も含む)による妊娠でも中絶は認めない、重度の障害を発見しても認めないという点だ。


数年前、Beaconの社会派の非営利のフォトギャラリーで10年後のルワンダの写真展を見た。主題は母と子の肖像で、母親はルワンダジェノサイドの時にレイプされたが生き延び出産(堕胎できる状態ではなかっただろう)写真とともにその母親インタビューを添えられ、当時の恐ろしい記憶、心の葛藤、苦悩が伝えられていた。


子供に罪はないとわかっていても、レイプした人間の面影を見て、愛することができないと苦悩する。その声お見ることで、常に辛い記憶を蘇らせ、悪夢にうなされる。
また、この子を育てなければ、一族の血が根絶やしになる(他の家族親戚に至るまで全て虐殺された。彼女も半死半生で助けられた)、という思いから育てている人。
神の与えた試練、また愛を試されているという考えで、慈しんで育てていると語る人。


暴力による妊娠は、被害者の傷をえぐり続けると同時に、母親から十分な愛を受けられない、ひいては虐待を受ける可能性のある子供を作る。


中絶禁止を唱える共和党が政策として、きちんとした里親制度を準備し、低年齢出産、
レイプ被害者に対応する支援政策を打ち出すならまだしも、そう言ったことは何もしない。ただ神が望まないとか、『生命尊重は単なる出生尊重よりも大きな意味があると、心から信じる』とかの、当事者の気持ち状況を全く考慮しない御託を押し付ける。


中絶してはダメ、出産しろ、あとは自己責任。胎児の生命尊重は考えても、生まれて育っている子供たちの命を奪う銃の規制に反対し、息子娘を勇んで戦場に送り出し、また他国の子供たちを空爆で吹き飛ばす。


せめて彼らだ、妊娠という女性の人生において(それを第一義と考える女性以外の)大きなLossの部分を、補填し、補助し、また、レイプなどの被害者の苦しみを回避する措置を取るのなら、同等に議論の余地もあろう。


フロリダ移動の際、南下するたびに目にする、堕胎は殺人、ジーザースがそう言ってる、なんて大きな看板。キリストは本当にそんなことを言ったのか?(キリスト教でも宗派によって、解釈も違うし、Dさんは大学院で宗教学専攻、バイブルに詳しいが、堕胎は罪、胎児の存在定義なんて全く触れてないという。100歩譲ってどこかの解釈からそう言った論を引き出したとしても、キリストの生きた時代と環境において発せられた言葉を、現代に持ち込んで押し付けることは不条理だ。


フロリダ移動の三分の一はこの話題になる。女性の身体と、人生を大きく変える、妊娠出産の決断を、他の人間がコントロールすべきではない。その選択権は100%女性にある。そんな道理もわからない、中世頭の人間たちが37%(トランプの絶対支持率)もいるのがアメリカだ。


日本も、最低3人産め、だのというバカが大臣をやっていて、その発言を実は肯定しているのが内閣総理大臣だったりする。 個人主義と利己主義を勘違いし、個人の領分に政治が介入しようとしているのが現政権だ(家族を大事にとか、友達よ仲良くとか、
そんなこと、政治が介入して同行することでないし、まして憲法に書くなんて馬鹿すぎる)子供の平坦な綺麗事修身教育みたいなことを言い出して、自分たちの政治の不正と不手際はほっかむりだ。
日本もいずれ少子化対策で堕胎禁止法が強行採決される日が来るかもししれない。
国民の義務として子供を3人以上産み(中国みたいだ)、低賃金不安定雇用、家も賃貸、70歳まで働いて、体が動かなくなったら、年金でまかなえる廉価老人ホームに送られ、管理され安価な死に送り出される。人生無機質なベルトコンベアーだ。


そうならない前に、子供の産める環境作りを、働いてきた人生の収穫期を楽しむことのできる社会づくり真剣に考える政府に変えなけらばならない。

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