密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

英国の電車内痴漢防止対策 「誰かが、私にそんなことをする権利があると感じていたことが信じられない」

アメリカでは、電車内の痴漢というのはマンハッタンでも聞いたことがない。日頃、自分を抑え、社会に順応しストレスを溜める男性が、痴漢行為に走る、のではないかと思っている。日本と英国はそうしたメンタリティーが似ている?


だが英国は路線に防犯カメラを設置しているようだ。そして設置されたない路線で、痴漢被害が起きているという。

確かに日本に近い満員電車だ。
ロンドン地下鉄で性的加害行為を受けた23歳の女性が、全車両に防犯監視カメラを設置するよう呼びかけている。
サラさん(仮名)は3月19日、セントラル線の車内で男性に腰の辺りをつかまれた。
地下鉄内の性的加害行為の4件に1件がセントラル線で発生している。他の路線と違い、セントラル線の車内には防犯カメラが設置されていない。
地下鉄を運営するロンドン交通局(TfL)は、防犯カメラがないことは「問題」だと認めている。
サラさんはオックスフォード・サーカスへ向かう通勤電車で被害にあった。初めはかばんがこすり付けられているのだと思ったという。
「そうしたら腰をつかまれた。後ろに立っていた男性が、勃起した性器を私にこすり付けていた」
「身体が完全にすくんでしまった。動けなかった」
「よくあること」
加害者の男性は、次の駅で乗客が増えたときにサラさんから離れざるを得なくなった。
ロンドン東郊ロンフォード在住で広報の仕事をしているサラさんは、リヴァプール・ストリート駅で降りて警察官を探した。
しかしイギリス交通警察(BTP)の職員はサラさんに、男性が捕まる可能性は低いと話したという。
「『よくあることだ。車内に監視カメラがないから、やってみても大丈夫だと思っている』と言われた」とサラさんは言う。
「よくあることだと分かっているなら、どうして車内に監視カメラを置かないのか」


2016~2018年にロンドン地下鉄各線で報告された性的加害行為の件数のうち、セントラルラインは群を抜いている。3年間792件(年264)、2位のビクトリアラインは521件(年約170件)。全10路線で一番少ないのはウォータールー・シティラインで6件(年2件) 



サラさんはロンドンのサディク・カーン市長に手紙を書いたが、まだ回答はないという。
TfLの広報担当者は、「車内の監視カメラ設置は有意義だと思うが、性的暴行事件の多くは、特に混雑する時間帯に特に混雑した車内で起きていることが分かっている」と説明した。
「混雑中に人物や行動を特定することは難しい。つまり、監視カメラは駅構内に設置する方が有意義だ」


ロンドン地下鉄の性犯罪を防げ 私服警官に同行取材
ロンドン地下鉄全11路線のうち、監視カメラが設置されていないのはセントラル線に加え、ピカデリー線とベーカールー線の計3路線。
TfLは、2023年までにセントラル線に、ピカデリー線では「2020年代」にカメラを設置する予定だとしている。一方、ベーカールー線では設置計画はないという。
残りの8線は比較的新しく敷設され、車両にも最新技術が使われているため、監視カメラが付いている。


ロンドン議会のシャーン・ベリー議員は、地下鉄車内の監視カメラ設置は「最優先事項」であるべきだと述べた。「加害者が監視カメラのない路線を標的にしているなら、非常に懸念されることだ」


BTPの報道官は、サラさんの加害者についての捜査は進んでいると説明した。サラさんによると加害者は身長188センチ、濃い色の短髪で、あばた顔だったという。事件はストラットフォード駅とマイル・エンド駅の間で発生し、加害者は灰色のスーツを着ていた。


BTPが被害者に名乗り出るよう訴えるキャンペーンを行った後、地下鉄での性的加害被害の報告は増加している。サラさんは今なお事件に「ショックを受け、動揺している」と話し、公共交通機関に乗るのは不安だと思うようになったと述べた。「誰かが、私にそんなことをする権利があると感じていたことが信じられない」と、サラさんは語った。
(英語記事 Tube sex assault victim calls for CCTV)


さて日本は、というと、一位の中央線が年間、ほぼ120件。ただ日英比較10路線とすると、日本はどこでも相当数の痴漢が発生している。加えて、これは地上線、こけれに地下鉄が加われば、どれだけの被害件数があるのか。また日本女性のメンタリティーは
英国女性と比べて、痴漢被害を公に訴えるのをためらうケースが多い。



日本でも車内防犯カメラの設置は有効ではないか、と思うのだが、安心できない(日本では車内で眠る人が多いから、寝顔を移されるのが嫌?)という声もあるようだ。
しかしそれこそ、寝ている間の置き引き、酔っ払いのご乱行、痴漢冤罪、等の防止、摘発にも役立つと思う。


痴漢という行為は、単なる性的嗜好ではなく(まあそういう人もいるかもしれないが)自分のストレス・鬱憤を見ず知らずの自分より弱い(であろうと想定される)相手にぶつける行為。ある意味匿名性の陰に隠れて、というネット暴言バッシングに共通する。
多分多くの人は、身元は明らかにされてらそんな暴言は履けないだろう。痴漢も自分の行為が記録され身元を特定される危険性がある中では、犯行を行うことの抑止になるだろう。


英国女性の「誰かが、私にそんなことをする権利があると感じていたことが信じられない」という怒りを果たして日本女性は持ち得るか? 悲しいかな男性の物扱いの目線・行為に、嫌な思いをしながら仕方ないと感じてしまっている。「誰も 私にそんなことをする権利はない。」と強く思うべきだ。 


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弱者をいたわってこその人間だ。弱いから、劣っているから支配していいなどと考える人間が増えてきていることは嘆かわしい限りだ。男性も、女性も、いたわりと思いやりを忘れれば、単なる権利闘争だけになる。相手の立場、心情に対する想像力と、自分の能力に対する自負心、が、いい社会を支える、それが失われつつある世知辛い社会は、弱肉強食の新自由主義、大多数を搾取の対象にしてしまった社会の弊害だ。


政治を変えれば、世相も変わる。そうでなければ、日本はディストピアと化すだろう。


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