密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

軟弱地盤を指摘 玉城デニー知事の戦略

アメリカには日本と大きくセンスの違うところがいくつかある。その一つが自他区別がはっきりしていて、決して踏み込まないこと。


いくら海兵隊基地があるとはいえ、国と国との間で決めた方針を、頭越しに県知事との階段でゆるがせにしたりはしない。あくまで国内で解決し意見をまとめた上で、話し合うという手順を重視する。今回の玉城知事の訪米でもこの姿勢は貫かれた。


しかし、自分たちの不利益の可能性、新基地の地盤問題は、知ってしまった以上、アメリカの問題になる。非常に賢い戦略だ。今後米軍は独自調査を行うだろう。その結果で日本政府に厳しい要求が浮きつけられるだろう。

ー前略ー
14日10時すぎ(現地時間)、国務省に玉城知事は緊張した表情で乗り込んだ。玄関前の手荷物検査場から出たところで待ち構えていた記者から声をかけられたが、無言のまま、国務省のマーク・ナッパ―次官補代理と国防総省のポール・ボスティ日本部長代行との面談に向かって行ったのだ。
 日本の外務省と防衛省に当たる国務省と国防総省との意見交換は、辺野古新基地阻止を県知事選で掲げた玉城知事にとって訪米最大の山場。しかし30分を超える面談が終了して間もない同日午後、国務省は「普天間代替施設(辺野古新基地)建設の約束は揺らぐことはない」という声明を報道関係者に発した。父がアメリカ海兵隊員の玉城知事が沖縄の民意をアメリカ政府に訴えても、「辺野古が唯一の解決策」という日本政府と同じ常套句が繰り返されただけだったのだ。


しかし玉城知事は意気消沈するどころか、逆に闘争心をみなぎらせていた。「寒さには寒さ対策が必要」「凍えているだけではいけない。体を動かして温かくしましょう」と言いながら、記者団に次のような協力要請もしたのだ。


「(国務省での面談で)私は、沖縄における民主主義の崩壊に向かう状況を説明しました。その上で、そういう声明を出してくることは、まだ沖縄の認識を受取っていない。私たちは一喜一憂せず、常に沖縄の立場を説明していきます。メディアの皆様には『沖縄県がどういう思いで今回訪米したのか』の核心的な部分を発信していただければと思います」
 また玉城知事はアメリカ政府の担当者に対して「『辺野古が唯一』と言っている限り、デッドロック(行き詰まり)だ」と警告する強烈な“パンチ”も放っていた。建設予定地の軟弱地盤問題について、次のように説明したのだ。


「国務省と国防総省(との面談)では、私が説明をして『これから先、(軟弱地盤を強化するための)地盤改良などがあった時は知事の許可を求めないといけない。そうすると、その許可を出すのは知事自身なので、この工事にはまだまだ完成までに時間がかかることは十分に予測される』と言っておいたが、それらについて国務省や国防総省からはコメントはなかった」
 

次のような悪夢の近未来図を玉城知事は示したともいえる。
1)マヨネーズにも例えられる軟弱地盤上に土砂投入をしても地盤沈下や液状化が起きる”欠陥基地”にしかならない可能性が高い。
2)米軍の使用に耐えうるようにするには新たな地盤改良(強化)が不可欠だが、現行計画からの設計変更を伴うので知事の許可が必要(玉城知事は不許可の方針)。
3)「辺野古が唯一」という方針を撤回、沖縄県と日米両政府が対話をして新基地建設を中止した上で代替案の模索をしない限り、「莫大な予算(日本国民の血税)を投じて美しい海を破壊した挙句、普天間代替施設として機能しない埋立地を作る」という工事のための工事を続けることになる。


この面談後、予算を握る下院を制した民主党議員より「議会対策で協力する」との言質もえたという。これは大きい。民主党においては、安倍氏のトランプ擦り寄り、および歴史修正主義も含め、評判はすこぶる悪い。オバマ大統領は、米軍基地は地域とのインパクト(軋轢)を望まない。グアムへの移転計画を再開すると、安倍晋三の隣で宣言し、日本メディアはそれを無視した。トランプにしろ、金と時間ばかりかかることは面倒臭い、とそっぽを向く可能性もある。


穏やかで冷静な人が、本気で怒るとこういうことになる。翁長知事は、沖縄の人々に、いい後継者を残した。



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