密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

トランプに甘〜い日本でも中間選挙は厳しい未来

日本のメディア・有識者?はトランプに甘い。というより権力の座にあるものには、尊敬ん念を持たなくてはならないという日本流のお行儀なのかもしれない。
しかし、日本記事やコメンテーターの話で、まるでトランプが国民に支持されたかのような、また大統領再選が有利なようなことを聴いていると、ムズムズする。
どういうわけか、日本の知米有識者は、こぞって共和党的考え、共和党的見識を日本に披露する。まあ、官僚機構や大企業に勤めてその伝で留学、研究をすれば、当然周りは共和党だらけ、日本とアメリカの経済発展のための渡米であり、それ以外は瑣末なことなのだろう。しかし、アメリカの民主主義は経済関係だけは推し量れない。


私の好きなコラムを書いている、Sam Potolicchio教授が中間選挙の結果分析・大統領選の見通しについて書いているので紹介したい。

<選挙には勝ったが、20年の再選と今後の生き残りに暗い影を落とす結果に>


今回のアメリカ中間選挙で明らかになった複雑な民意を単純に白か黒かで判定することは難しい。共和、民主両党は、あらゆる手段を使って自分たちの「勝利」を喧伝している。


民主党は10年以来となる下院の多数派奪回に沸いているが、共和党は上院の議席差をさらに広げ、民主党の攻勢を押しとどめたと主張する。


共和党はまた、ドナルド・トランプ大統領と民主党の前任者を比較して自分たちは健闘したと指摘する。ビル・クリントンとバラク・オバマはトランプよりも支持率が高かったが、1期目の中間選挙で上下両院の議席を2人合計で131減らす大敗を喫した。それに比べれば今回の共和党のほうがはるかにましというわけだ。


それを踏まえた上で、あえてシンプルに分析してみよう。トランプは選挙に勝った。だが、もっと長い目で見れば敗北に向かって進んでいる。


政治学者の常識的判断に従えば、今回の中間選挙はトランプに「ノー」を突き付けたと言えるだろう。失業率は過去50年間で最低、経済成長のペースは予想をかなり上回り、株価はトランプの大統領就任直後よりずっと高い――これだけの追い風が吹いていながら、下院で三十数議席も減らすことはあり得ない。普通の大統領なら支持率70%、与党は議会で圧倒的多数を握ってもおかしくないはずだ。


民主党は上院での敗北について、自分たちは改選数の関係で26人が再選を果たさなければ負けだったが、共和党は9議席を守るだけでよかったと主張する。つまり、もともと上院の勝利はほぼ不可能だったというわけだ。


だが、民主党は油断してはならない。トランプのやり方は無作法で支離滅裂だが、政治的パワーは健在だ。対決姿勢むき出しだった選挙後の奇妙な記者会見で、トランプは熱烈な自分の支持者ではなかった共和党議員の名前を挙げ、いずれも落選したと指摘した。数字の誇張はいつものことだが(多くのトランプ支持者も落選している)、確かに一理ある。


私は以前のコラムで、激戦の州知事選がトランプの命運を握っていると指摘した。


フロリダ、ジョージア両州知事選の民主党候補アンドリュー・ギラムとステイシー・エイブラムスは、直前の世論調査では優勢だったものの、選挙結果は熱烈なトランプ信奉者の共和党候補に僅差で及ばなかった(どちらも現時点で投票の再集計が行われる可能性は高いが)。


民主党が州レベルで躍進
常識的な見方では、2人の共和党候補はトランプの不人気ゆえに落選するはずだったが、実際にはトランプ自身の強力な応援が共和党支持者を投票所に向かわせ、2人を逆転に導いたと言えそうだ。


大きな関心を集めたテキサス州の上院選でも、共和党の現職テッド・クルーズが民主党のベト・オロークを振り切った。前回の大統領予備選でトランプと共和党の候補指名を争ったクルーズは、かつて妻や亡き父を侮辱されたこともあったが、今回はトランプの応援を歓迎した。
クルーズは大統領選でトランプの対立し、絶対応援なんて頼まないだろう、と思いきや、
オローク氏の猛追についにプライドを捨てて応援を頼んだらしい。共和党中枢部は最初は政治経験皆無のトランプなど歯牙にも掛けない様子だったのに、この変わり身。
亡きジョン・マケイン氏とミット・ロムニー氏くらいはトランプに媚びずにいるけれど、
副大統領候補で下院議長のポール・ライアンなどはすぐさま仲良しモード。しかし、やっぱりストレス?で、なんと引退を表明、、。とことんダメな共和党。


保守的な土地柄のテキサス州で現職の上院議員が議席を守ったことは、さして重要な勝利には見えないかもしれない。だが、オロークは民主党内で20年の大統領選出馬を強く推す声も出ている注目の若手政治家だ。ここでもトランプの応援が結果を左右した可能性は大いにある。


今回の中間選挙では、下院選の全米での総得票数は民主党が共和党より約10%多かったが、議席数ではそこまで大きな差がつかなかった。


その一因は、州レベルで権力を握っていた共和党が自分たちに有利なように選挙区の区割りを変更していたことにある。民主党は、オバマ政権の8年間で州議会と州知事職で権力を大幅に失っていた。


その点で見逃せないのは、今回の中間選挙で民主党が州レベルの選挙で大きく躍進したことだ。注目されていたフロリダ州とジョージア州の知事選は期待を裏切られる結果になったが、コロラド、イリノイ、メーン、ニューメキシコ、ネバダ、ニューヨークでは、州知事、州上院、州下院の3つを全て掌握することに成功した。


これにより、民主党は国政レベルでもトランプの政策に対抗しやすくなる。さらに、これらの州では20年の下院選に向けて有利な状況をつくり出せるし、大統領選と議会選で支持を掘り起こすための強力な基盤も手にできた。


<疑惑調査が本格化する?>
民主党にとってフロリダ州知事選を落としたのは想定外の痛手だったが、同州からは朗報もある。同時に実施された州民投票の結果、州内で刑期を終えた元受刑囚の選挙権を(一定の条件の下で)回復させる州憲法改正が決まった。これで選挙権を取り戻す人は140万人以上。大半が民主党支持者だと思われる。これが将来の選挙で効いてくるかもしれない。
(補足)有罪率が有色人種が圧倒的に多く、もし白人が有色人種を殺しても無罪になるケースをいくつも見てきた。フロリダは自衛のための発砲その結果相手を殺してモッ罪に問われない州法がある!!ほんとトンデモない、何のために法律があるんだ!?


ジョージア州知事選も、結局は共和党のブライアン・ケンプの当選が決まる可能性が高そうだ。そのケンプは州内の選挙事務を取り仕切る州務長官として、有権者登録のハードルを厳しくし、実質的にマイノリティー(少数派)の投票を制約してきた人物である。


現職州務長官のケンプが職にとどまったままで選挙に臨んだことから、知事選の公正さを疑う声も上がっている。この問題で注目が集まれば、州務長官としてのこれまでの行動も批判を浴びるかもしれない。批判が勢いを増せば、有権者登録のハードルを下げる制度改正が実現しないとも限らない。もしそうなれば、マイノリティーの支持率が高い民主党には好材料だ。


中間選挙の結果の中で最も大きな意味を持つのは、民主党が下院を制したことにより、各委員会の委員長ポストが民主党に回ることだ。


下院が調査権限を全面的に活用するようになれば、トランプの運命が大きく暗転する可能性もある。これまでの2年間、トランプは共和党主導の下院の協力により、司法妨害疑惑や税務・ビジネス関連の問題など、さまざまな法律的問題から守られてきた。しかし、今後は全て丸裸にされて、事によると弾劾裁判にかけられる可能性も出てくる。
ただし残念ながら、弾劾できない。共和党が過半数を握る上院の三分の二の賛成が必要だからだ。


トランプが中間選挙で上げた成績に関して、私はほかのアメリカ政治専門家たちが与えたのより高い点数を付けていいと思っている。しかし、今回の選挙結果は、2年後の大統領選でのトランプの再選と今後の生き残りに暗い影を落とす。


トランプ自身もこのことに気付いているように見える。選挙後の記者会見では、メディアに対して冷静さを失う一幕があった。これは、相変わらず強気な態度とは裏腹に、下院や州政治の新しい現実を突き付けられて内心は狼狽していることの表れなのかもしれない。


<本誌2018年11月20日号掲載>


最近のトランプは明らかにヒステリックだ。前から未訪ものではあったが、感情的に怒鳴り散らすことが公の場でも増え(スタッフにはしっちゅうらしいが)余裕のなさ、不安定さを見せている。さてこんな状態のトランプにとっての、憂さ晴らしできる相手といえば、親友シンゾー。憂さ晴らし散っても、もちろん悩みを打ち明けて助言を得るなんてことではない。圧力をかけ、相手を狼狽させ、自分の力を誇示し勝者の優越感に浸る、これがトランプの憂さ晴らしだ。そんな憂さ晴らしは、手ごわい相手にはもちろんできない。憂さ晴らしどころかストレスになりかねないからだ。そこへ行くと、シンゾーは見事に憂さ晴らしに最適な相手だ。その憂さ晴らしのために、安倍友の大企業は痛い目に合う、そして経費削減で安い労働力を欲し、非正規外国人労働者を、求める。結果しわ寄せは一般の国民と、労働搾取される外国人労働者に行く。


今後2年間はトランプのストレスは増大する。仲良し外交ではなく、きちんと発言し、硬軟取り混ぜて交渉できる、かつ国益=大企業の利益だけ、なんて考えない総理大臣が必要だ。



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