密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

志位委員長+上智大学中野教授 新春対談2


せっかく読みやすく色分けなどしたのに、3000字よりオーバーで半分やりなおし(泣)
前回の続きです。
中野 私もその連立政権しか道はないと思います。同時に、連立政権、場合によっては選挙協力に関しても抵抗したり、反対する側が常に言及するのが、「共産党アレルギー」という亡霊です。それについてどう考えるのか、それをどう対処するのかという問題があると思うんです。
 

共産党のいまの姿勢とか考え方が、かつての旧ソ連などのイメージであったりということで、いろいろと誤解を受けていたりして、一定層に「共産党アレルギー」というものがあって、それが障壁となっているとするならば、共産党としてそれをどう乗り越えるのか。その正体はいったい何なのかということを、まず見るところから始めなくてはいけない面もあるんだろうと思います。
 

一つ例を申し上げます。「シールズ」のみなさんと、「リデモス」(ReDEMOS)というシンクタンクを一緒につくろうということで協力をしたのですが、どういう理念にするのか非常に議論するのですが、そのあとに、ではどうやってビジュアル化するのか、どうやってメッセージを伝えるのかということを、理念や声明をつくるのと同じぐらいの時間をかけて、徹夜作業並みのことをやるのです。それを見て、ある意味あぜんとしたというか、非常に驚いたんですね。
 

私自身も「立憲デモクラシーの会」であるとか「学者の会」とかにかかわって、声明をつくろうとガヤガヤやってできたが、じゃあ記者会見だといって、その見せ方については何も考えていないわけです。おそらく自分たちは正しいメッセージをもっているから、それは伝わるだろうという、ある種のおごりもあるんだと思います。それにたいして、彼らは、自分たちの声なんて聞いてくれるのだろうかというところから出発して、どう伝えるかを考えている。
 

もう一つは、伝えたい相手にたいする敬意、若者の言葉でいうとリスペクトだと思うのですが、それがやっぱりわれわれに欠けていたものだなと思ったのです。「シールズ」の場合ですと、主権者が主権者に語りかけるというフラット(対等)な運動であったがために、自分も考えて動いているから、あんたたちも考えて動いてくれと、まあ違いはあるのかもしれない、だったら議論しようという、そういう姿勢なわけですよね。われわれ大学の教員と共産党というのは似ていて、同じようにうっとうしいように思われている(笑い)。


常に正しい答えを知っていて説教しているようなところが、たぶんあるんだと思うんですね。そういう意味では、自戒も込めて申し上げているんですけども、いかに見られているのか、どのように受け止められているのか、どうすると伝えたい相手に対してよりリスペクトがこもった、メッセージの伝え方ができるのか、というようなことについて、共産党のみなさんにもぜひ取り組んでいただきたい。本来でいえば、共産党はもっと、支持されていないとおかしい状況にあるわけです。


もちろん、近年の選挙では票も議席も伸びてきて、それは素晴らしいと思うんですけれど、まだもっといけるはずだというところがあるとするならば、それはメッセージの伝え方について、もっと謙虚にあるべきではないかと。すでにいろいろ努力をされていることは、十分承知のうえで、新年はさらに力を傾注していただけたらと、いうふうに考えています。
 
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志位 それは、おっしゃる通りだと思います。私たちは、党をつくって94年になりますが、つねに相手方の攻撃にさらされます。苦しい状況が続くこともある。最近でも、90年代の「自民対非自民」のキャンペーン、2000年代の「自民か民主か」の「二大政党論」のキャンペーンなど、難しい情勢に直面し、それらと苦闘してきました。そういうなかで、「正しいことを言っているのだから必ず分かってもらえる」と確信をもって、それで頑張ってきたという面もあります。
ただ、さらに広い国民に支持される党になるためには、いわれるような努力がもっと必要です。伝える相手へのリスペクトをもって、もっと謙虚にという努力が必要だと思います。
 

「シールズ」のみなさんや、「ママの会」のみなさんと私も、いろいろと交流してきて、彼ら、彼女らが、いかに普通の人々が抵抗なく参加できるような運動にしていくか、普通の人々の気持ちにスッと響くような訴えになるかということについて、徹底的に同じ目線で語りかけていく努力をしていることがよく分かります。主権者が隣の主権者に伝える、そういうやり方です。私たち共産党の今後の姿も、国民と同じ目線ですすみ、国民とフラットな関係で手を携えて社会を変えていくためには、いろいろな自己改革や自己脱皮の努力がいると思っています。


参議院選挙に向けて 今年は、去年起こった国民の新しい歴史的歩みを、日本の政治を変えるというところに必ず実らせたい。そういう年にしたいと決意をしています。
 まずは参議院選挙で、野党共闘を実現し、自公とその補完勢力を少数派に転落させる。憲法を破った勢力は主権者である国民に罰せられ、退場させられるということを、日本の民主主義の当たり前のルールになるような結果を出したい。
 

同時に、そのなかで日本共産党が躍進することに全力をあげたい。
「戦争法廃止の国民連合政府」を実現し、日本の政治に立憲主義・民主主義を取り戻していく、そのために日本共産党を躍進させてほしいという訴えを大いにやっていきたいと思います。
 いま一つ、参議院選挙では、安倍政権のあらゆる分野での暴走政治にストップをかけ、政治の転換をはかる。戦争法のほかにも、沖縄、原発、TPP、消費税など、たくさんの焦眉の課題があります。これらの問題で、「暴走を止め、転換をはかる」という願いを日本共産党へと訴えて、躍進を果たしたい。
 野党共闘によって自公を少数派に追い込み、そのなかで日本共産党が躍進するという結果をつくるために、奮闘していきたいと決意しています。
 

中野 これまで私自身、政治を研究する者として日本政治が右傾化してきた過程を、本などにも書いてきたのですけれども、さきほども志位さんがおっしゃったように自民対民主の対立だというような形で、共産党の票が流れていったりということで、むしろ全体としては、自民党を筆頭とした、あるいはその周りを回る衛星政党のような右翼政党が、議席を伸ばすということが続いていて、自民党に対抗する野党は全体として縮小傾向にあって、政治の右傾化が徐々に、しかし、とめどなく続いていくという状況を生み出してきたんだと思うんですね。
 
ところが、今回の市民社会の動きの中では、私自身は右傾化を止める、その希望が明らかに見えてきたと感じていて、ここから、そのリベラル左派勢力の反転攻勢が始まる、始まっていると考えています。それをいかに政党政治のところに還元していくのか。これはもちろん、一気にすべてが回復できる問題ではなくて、政治の最低限のバランスを取り戻すにはまだまだ時間がかかっていくんだと思うんですけれど、その大きな第一歩が参議院選挙で実現可能になると。そのためには、やはり、「個人の尊厳」を中核にすえて野党共闘というものが、大きな意味のある対抗勢力としてより多くの有権者に伝わって、投票率が上がって、若者も投票所に足を運ぶということだと思います。
 
われわれ、運動を展開してきた側からしてみても、市民社会から、そういった野党の動きを積極的に後押しをして、良い1年となるよう、日本の政治が、立憲主義を回復し、民主主義を育てていく、今年がその転換期になったということが、後世から見て分かるような形にできたらと思っています。  



志位 本当に、去年が、国民が新しい歩みを始めた年であったとすれば、今年は、日本の政治の文字通りの歴史的転換点となったという年にしたいですね。
 いま言われた「右傾化」という問題についていいますと、たしかに安倍政権は「右傾化」している、「右傾化」というより「極右化」しています。極右政党ですよ、今では。 政治の表層というか、上部構造の中でも永田町だけを見たら「右傾化」かもしれない。もっとも、その永田町でも最近、国会前では多くの国民が怒ってデモをやっていますから、単純に永田町とはいえないかもしれません(笑い)。


「右傾化」しているのは、「永田町の塀の中」だけということになりますか。(笑い)
 しかし、土台のところでは、自民党政治がいよいよ行き詰まっている。戦後71年、自民党政治は、外交をみても、経済をみても、統治能力を失っていると思います。「安倍外交」ということでやっていることは、原発を輸出して、武器を輸出して、「積極的平和外交」なる美辞麗句で自衛隊の海外派兵の道筋をつけようとしているだけで、外交と呼べるものは一切ないですね。
経済の方も本当に行き詰まってしまっていて、日本経済が長期にわたって停滞・衰退しているときに、国民の暮らしをどうするのか、経済をどう立て直すのか。その方途を失っています。統治能力を失っていると思います。
 

ですから、政治の表層――「永田町の塀の中」では、逆流が支配しているように見えても、自民党政治は土台部分ではもう腐りきっている。そして、国民運動の大反撃、市民社会の大反撃が開始された。日本の政治は、大きな変革の時代に入りつつあると思います。今年を、そういう変革に大きく一歩踏み出したといえる年にしたいと思っています。 


中野 いまうかがって、まさに私も同感です。さきほどのたとえでいうと、焼け野原に、その根腐れ起こした木がかろうじて一本残っているように見えるけれども、実はもう新緑が芽吹いていて、それが新しい木に育っていく、そういう年にしたいですね。  



志位 それはすてきな表現ですね(笑い)。私も、そう思います。今日は、ありがとうございました。


中野 ありがとうございました。


日本共産党の「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」提案


志位委員長+上智大学中野教授 新春対談2
1、戦争法(安保法制)廃止、安倍政権打倒のたたかいをさらに発展させよう


2、戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同して国民連合政府をつくろう


3、「戦争法廃止の国民連合政府」で一致する野党が、国政選挙で選挙協力を行おう




「敷布団」と「掛け布団」 中野晃一・上智大学教授は、戦争法反対の運動の担い手について、長年、平和運動や護憲活動をしてきた人々を「敷布団」に、「学者の会」やシールズやママの会などの活動を「掛け布団」にそれぞれ例えてきました。

10月20日のインターネット番組「とことん共産党」では、「夏は、あんまり掛け布団がいらず、敷布団だけあれば寝られるんですが、冬になると、あったかい掛け布団がでてくるとうれしい。寒さって下からくるので、敷布団がしっかりあって断熱してくれるから、上の羽毛布団があれば、あったかく感じる」と解説しました。




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