密接な関係にある他国から

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共和党議員の劣化、それにしても疑惑のカバーノ最高裁判事候補の態度が、誰かにそっくり

17歳の頃の女性暴行事件他2名から告発を受けているブレット・カバノー最高裁判事候補。真摯で穏やか、説得力のある告発者クリスティン・フォード氏と対峙して、公の場で、取り澄ました権威主義の仮面が剥がれ始めた。


人の本性は、逆境に置かれたときに分かると言われる。その点、カバノーが試練の場で見せたのは、弁解がましく、狭量で傲慢、冷血な姿だった。


トランプ米大統領から連邦最高裁の判事に指名されたカバノーは、9月27日、指名承認を審議する上院司法委員会の公聴会に出席した。1時間近い証言は、過去の業績を並べ立てることにほぼ終始した。しかし、涙交じりに自らの正当性を訴えたかと思えばけんか腰で批判にかみつく態度は、「法の番人」に求められる高潔さ、冷静さ、客観性、公正性の対極にあった。


上院司法委員会が28日に指名を承認し、次は上院本会議に進む予定だったが、さすがのトランプと共和党も気まずくなったのかもしれない。FBIが追加調査を行うことになり、本会議での採決が先延ばしになった。


カバノーはトランプ時代の象徴だ。ある風刺コラムニストは、「嘘を言い、絶叫し、捜査を嫌う」カバノーがトランプを連想させると揶揄した。


「変節」したベテラン議員
性的暴行疑惑に対するカバノーと共和党の振る舞いは、説得力を欠く。暴行を受けたと証言したクリスティン・フォードの話は穏やかで論理的だった。証言に説得力があっただけではない。嘘発見器のテストも受け、FBIの全面的な捜査も求めた。これは、真実を語っている人間の取る行動だ。


それに対し、共和党は一刻も早く指名承認手続きを終わらせようと躍起になっている。カバノー自身も嘘発見器のテストを拒否し、FBIの捜査を極度に恐れているように見える。どちらの主張に信憑性があるかは明白だろう。


カバノーは心が狭く、情緒不安定でけんかっ早い人間だ。先日、2月にフロリダ州で起きた学校銃乱射事件の犠牲者の父親が挨拶しようとして手を差し出すと、カバノーは握手に応じず、背を向けて立ち去った。


今回の公聴会では、この種の狭量な振る舞いが繰り返された。民主党議員を嘲るようなことを述べたり、質問者を挑発するように無関係の逆質問をぶつけたりしている。


カバノーは人生で最も重要な採用面接の場で、精神の安定を完全に失った。最高裁判事として重要な問題について客観的な判断を下せるとは思えない。


カバノーをめぐる一連の動きは、アメリカの政治がすっかり党派対立に毒されてしまったことを改めて浮き彫りにした。


今となっては皮肉な話だが、カバノーは90年代、私生活上のスキャンダルに関連して当時のクリントン大統領を弾劾訴追すべきだと強硬に主張して、有名になった。この時期を境に、アメリカ政治の党派対立はひときわ先鋭化していった。


そのカバノーが逆に追及を受ける側に回った今日、党派対立はいっそう激しくなっている。リンゼー・グラム共和党上院議員の態度は象徴的だ。16年大統領選の共和党予備選の段階では強硬な反トランプ派だったが、今ではすっかりトランプの子分に変身している。次期司法長官の椅子に色気を見せているとも言われる。


27日、グラムは公聴会でカバノーに厳しい質問が続く状況への怒りを爆発させた。民主党議員を激しく非難し、「こんなに卑劣な行為は見たことがない」とも述べている。


分別のある人たちはみな、カバノーの性的暴行疑惑について全面的な捜査を求めている。それなのに、四半世紀に及ぶ連邦議員経験を持つベテラン政治家であるグラムが感情をむき出しにして、身内をかばう発言をした。アメリカの政治はこれほどまでに常軌を逸し、党派対立に汚されてしまったのだ。


「嘘を言い、絶叫し、捜査を嫌う」民主党議員(野党)を嘲るようなことを述べたり、質問者を挑発するように無関係の逆質問をぶつけたりしている。
まさにどこぞの首相に呆れるほどそっくり。しかしこういう真っ黒を自分たちの利益計算で白にしてしまくところも、そっくり。


しかし、共和党が支配する上院は承認。

ワシントン(CNN) トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏の人事案が、議会上院で承認される見通しとなった。態度を決めかねていた共和党議員が5日に賛成に回り、指名承認に必要な票が集まった。
上院での最終採決は6日になるとみられているが、既に十分な数の議員がカバノー氏への支持を表明している。カバノー氏をめぐっては、カリフォルニア州の大学教授、クリスティーン・ブレイジー・フォード氏が1980年代初頭に性的暴行を受けたと告発し、政治的な駆け引きが過熱していた。
共和党で最後まで態度を決めていなかったコリンズ議員は5日午後の演説で、フォード氏の主張には十分な裏付けがないとの判断を示し、承認票を投じる意向を表明。「司法と最高裁に対する国民の信頼が回復されるよう、私はカバノー判事を承認する票を投じる」と述べた。
これに先立ち、やはり態度を明らかにしていなかった共和党のフレーク議員もカバノー氏への支持を表明した。コリンズ氏の演説後には、民主党のマンチン議員も承認を後押しする考えを示した。マンチン氏は、トランプ氏への支持が根強いウエストバージニア州選出で、今秋の中間選挙での再選を目指している。
共和党ではマーカウスキー議員が唯一、カバノー氏の承認に反対する意向を示した。
カバノー氏が最高裁判事に就任した場合、穏健派とは言いがたいロバーツ長官が判決を左右する「スイングボート」を握ることになる。
最高裁で保守派判事が過半数を占める状況となれば、性的少数者(LGBT)の権利や大統領権限の限界、選挙資金、人工妊娠中絶、社会における宗教の役割といった問題をめぐり、米国人の生活に多大な影響が及ぶとみられる。


共和党とキリスト教と保守派の悲願である、人工妊娠中絶禁止の法制化、性的少数者(LGBT)の権利の縮小=殲滅(しかも避妊の禁止まで訴えている!)アメリカは教会絶対支配の中世に逆戻りだ。彼らは真実の解明より、通常では決して法制化されないであろう
人工妊娠中絶禁止の法制化のチャンスを優先した。


当然、大規模抗議デモが米議事堂で起こり、怒りの、と抗議は広がりを見せてゆく。
実際耳にした、共和党への2度目の"Sham On You"(1度目は、あの、ニュータウン学校襲撃事件の直後、オバマ政権の提出した、9つの銃規制法案を全て却下した時だ。)

ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏に対する性的暴行の告発を巡り、同氏の指名承認に反対する人々が4日、首都ワシントンの連邦議事堂で大規模なデモを行った。抗議の声は激しさを増し、上院の建物に入った参加者302人が警官隊によって拘束される事態となった。


カバノー氏の疑惑については、トランプ米大統領の指示を受けた連邦捜査局(FBI)が調査を行っている。
4日の抗議集会の参加者らは、カバノー氏の承認に反対する歌を歌いながらワシントンを練り歩いた後、大挙して議事堂に入った。警官隊に拘束された人の中には、コメディアンのエイミー・シューマーさんの姿もあったとされる。


抗議行動中、建物の一画では女性の参加者の一群がエレベーターに乗ろうとするユタ州選出のオリン・ハッチ議員に詰め寄った。女性の1人から「私たちと話し合う勇気がないのか」と問われたハッチ氏は、「大人になりなさい」とだけ言い放ち、随行者に守られながらエレベーターに乗り込んだ。


性的暴行を受けた経験を持ち、女性や若者のための活動の運営に携わるマディソン・トーマス氏は、カバノー氏からの暴行被害を訴えた女性が証言に立った先月の上院での公聴会に言及。その内容について、国会議員は男性の世間体や出世欲といったものを女性の身体的な自主性より重要だと位置付けていることがよく分かったと述べた。


このオリン・ハッチ議員の発言は、民主主義の冒涜である。保守派の典型"Arrogant Man”による、民主主義のレイプだ。


Revenge is a dish best served cold(復讐の皿は冷めてから供ずるのがベスト)という言葉があるが、彼ら共和党に対する復讐の皿は、来月熱いまま供ぜられる。



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