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トランプ分析『感情移入の欠如』と『争点の再構成』あれ?誰かと似てる?

トランプに解雇された唯一のアフリカ系スタッフオマロサ元大統領補佐官が、8月、回顧録『Unhinged(錯乱した人)』を出版した。その内容を取り上げている記事で、特にトランプの、感情移入の欠如と争点ずらしテクニックを分析している箇所が面白いので、その部分を転載します。

<感情移入の欠如>
オマロサ氏は、昨年9月に米国南部と米自治領プエルトリコを襲った3つの大型ハリケーンに関するトランプ大統領の対応を比較して、同大統領を感情移入の能力が低い人間であると結論づけています。


 ハリケーン「ハービー」が昨年の8月下旬、テキサス州を直撃すると、トランプ大統領は現地に2回入りました。一方、ハリケーン「イルマ」が9月10日フロリダ州に上陸すると、トランプ氏は4日後に現地に向かっています。


 ところが、ハリケーン「マリア」に対するトランプ大統領の対応はうえの2つのハリケーンとは相違します。ハリケーン「マリア」が9月20日にプエルトリコを襲っても、トランプ大統領は10月3日まで現地視察をしませんでした


 トランプ氏はやっとプエルトリコを視察すると、現地で感受性に欠けた行動をとりました。被災者に向かってペーパータオルをバスケットボールのように投げつけたのです。加えて、記者会見で「16人の死者はカトリーナのような本物の大災害と比較すれば何でもない」と語ったのです。


 05年8月に南部ルイジアナ州に上陸したハリケーン「カトリーナ」による死者数は1833人でした。それに対して、ジョージ・ワシントン大学が18年8月28日に発表した研究によると、ハリケーン「マリア」による死者数は2975人で、カトリーナのそれを1000人以上も上回っています。オマロサ氏は、プエルトリコでのトランプ大統領の言動は、被災者に対する感情移入が完全に欠如していたと批判しています。


<争点の「再構成」とは>
 オマロサ氏は、「トランプ大統領は争点を再構成する」と言うのです。それはどのような意味なのでしょうか。


 簡単に言えば、争点をすり替えて別の言い方で表現するということです。例えば、アフリカ系米国人に対する警察の暴力に抗議するために、プロフットボールリーグ(NFL)の選手たちが、試合前の国家演奏中に膝を地面につく行為です。彼らは人種差別を争点にしているのですが、トランプ大統領は国家や星条旗に敬意を払っていないと主張して、争点を「愛国心の欠如」にすり替えています。


 もう一つ例を挙げてみましょう。西アフリカのニジェールで17年10月、過激派の襲撃を受けて死亡したラ・デイビッド・ジョンソン軍曹の遺族に、トランプ大統領は哀悼の意を伝える電話を入れました。ジョンソン軍曹の妻が車内でトランプ氏からの電話を受け取った際、フレデリカ・ウィルソン下院議員(民主党・フロリダ州第24選挙区選出)がその場にいました。


 ウィルソン議員は、トランプ大統領がジョンソン軍曹の妻に、「本人は入隊がどういうことか分かっていたはずだ」と極めて無神経な発言したと言うのです。しかも、同議員はトランプ氏がジョンソン軍曹の名前を覚えていなかったと語ったのです。


 争点はトランプ大統領の「無神経さ」でした。ところがトランプ氏は、同氏とジョンソン軍曹の妻の会話を聞いたウィルソン議員の「倫理観のなさ」に争点をすり替えたのです。


感情移入の欠如は、この戦死した兵士の妻への言葉にも表れている。
トランプはこの冷酷と自分本位、そして言葉で相手をねじり返すテクニックで、ビジネス上も私生活も、TV活動でも、多くの人からお金や尊厳をむしり取ってきたようです。
しかし、大統領となるとそうはいかない。
匿名政府高官のインタビューをNYTが掲載し、また、米紙ワシントンポストの著名ジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏がホワイトハウスの内幕を暴露する新著を出版。
ホワイトハウス内の惨状、側近たちの保守・革新などの政治姿勢以前の人間としての良識の戦いが記されているこの本、事前の内容レビューでさえ話題沸騰です。


ラモー捜査官の包囲網も徐々に狭まり、弾劾という言葉をトランプ本人が口にすることが増えているという報道もある。


それにしても、安倍総理の震災対応、そして常に行う争点ずらし。”親友”同士の驚くほどの共通点。違いは、周囲の人間が良識を持ち合わせ、制御しているか、神輿に乗せて担ぎ回っているかの違いだけだ。


そういった点で、日本の方がより悲惨で末期的と言える。



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