密接な関係にある他国から

アメリカと日本の社会、文化、日常感覚など、下から目線でつなげてみる。

言論の自由には結果が付いて回る ボストン差別容認派集会に抗議する人々

日本では、トランプの”many side”発言を受けて、どっちもどっち論が出てきているそうだが、アメリカ人はそういう詭弁をのさばらせておくほど、優しくない。
シャーロッツビル事件は多くのアメリカの人々の良識を目覚めさせた。事件から一週間後の8月19日、ボストンでは、差別容認派による自称「言論の自由」集会が開かれたが、その集会に反対する人々が、数十名程度の規模の「言論の自由」集会に25000人もの反対する人々が集まった。誰も、彼らに”言論の自由”を標榜することを許しておかない。
差別容認派に対抗した人々のメッセージは、「この国には白人至上主義者は要らない」だった。トランプは”デモ参加者を祟る”ツイートをしたがどちらのデモとはわからない言い方をした。



記事より抜粋
差別を容認する「言論の自由」派の集会の主催者はフィッチバーグ州立大学映画科4年生ジョン・メドラー氏らだった。メドラー氏は、この集会の意図は「あらゆる個人には言論の自由があり、この基本的人権をまもることだ」と強調している。
同グループは集会を「人種差別や偏見を助長する踏み台」として提供しているのではないと書き加え、バージニア州シャーロッツビルでの事件との繋がりを繰り返し否定してきた。メドラー氏が当初姿を見せなかったことから、若干の混乱が8月19日に生じた。


ロン・ヴィラリアル氏は、年代物の兵士の服装で「言論の自由」集会に参加しに来た。彼はシャーロッツビルでの暴力行為は「ボストンには関係無い、何千マイルも向こうの話です」と話した。この「言論の自由」集会での発表者が誰かも知らなかったが、言論の自由を守るために参加することを決めたのだという。彼はプラカードを携えていたが、その内容をハフポストに見せることは拒否した。


「もしクー・クラックス・クラン(KKK)の会員がマサチューセッツ州内に6人居たら、ビックリです」「これはクランの集会ではありません」と、ヴィラリアル氏は取材に対して語った。


以上が差別容認集会参加者のコメント。自分たちはKKKじゃないと、腰が引けている。
楽しく白人優位主義ポーズでストレスを発散しもり上がろうというつもりだったのか? もう、一部の変人たちの奇行として、黙って見過ごしてはもらえない。


抗議側として参加した58歳のアフリカ系ボストン市民オデル・ラフィン氏は、血と土の観念論にはうんざりだと語った。


「彼らは松明も盾も催涙ガススプレーも持ってきていません。彼らはこの国を自分らのものにしたいと言っています。この国は一度も彼らのものだったことなんてありません」と、ラフィン氏は言った。「彼らはこの国を所有していたことなんかありません。奴隷制は終わっているのに、彼らはまだ続けたいのです。思うに、盗んだものを無くしたせいで彼らは騙されたような気分になっているのではないかと思います」。


5時間近くを予定していた「言論の自由」集会だったが、ちょうど2時間で集会の参加者たちは諦め帰路に就いた。


この”言論の自由(白人至上主義を訴える自由?)”集会に抗議するために集まった人は、4万人を超えると言われ、市街地で(どちら側かわからないが)、警官と小競り合いがあり三十三人が拘束されたものの、負傷者はなく、物理的威嚇もなかった。航空写真で見ると、広場のガゼボ(西洋風あずまや)に集まった数十人の白人至上主義集会参加者を、その広場の外側で反対デモの人たちが周りを取り囲んでいた。22人対4万人とも言われ、彼らはさぞ震え上がっただろう。

ガゼボの例 こういう中に入り切れるほどの人数しか集まらなかった


「偏見は容認されない」としていた「言論の自由」集会の真実
19日の「言論の自由」集会で、偏見は容認されないと主催者は主張していた。しかし、この集会には、有名なホロコースト否定論者でシャーロッツビルの白人至上主義集会のまとめ役の1人だったオウガスタス・インヴィクタス氏が招待されていた。後になって参加は取り止めになった。


この有名な陰謀論者の参加について、「彼を招待したのは米国憲法修正第1条について話してもらうためでした」と、メドラー氏はCBSボストンに説明している。「間違えた考えを持った人たちでも、他のことについては正しい場合もあります」。


まさにトランプの、「いずれの側にも非難されるべきところがあり、いずれの側にも非常に立派な人々がいる」そのまんま。多分トランプの大ファンであろう、この若いメドラー氏のスタンスは日本のどっちもどっち論を標榜する人たちに似ている。
問題の本質を深く捉えようとせず、アンチテーゼを唱えることを自分の優秀さ、Coolさをアピールできると思い違いをしている。だから本物の狂信者・陰謀論者の参加の意味に怖気付くのだ。


インヴィクタス氏は、ナチスによる何百万人ものユダヤ人とその他の人々の虐殺という事実を認めていない。(日本にもいますね、こういう人々が。しかもより最悪なのは、政治の中枢に複数存在すること!!!流石のトランプも、ホロコーストを否定までしない。)彼はまた、このグループの5月の集会で、いずれ起こる内戦のために武装するよう出席者に呼びかけていた。


また、反ファシスト抗議運動の参加者と暴力沙汰を起こすことで知られる「プラウド・ボーイズ」のメンバーは、自身の「言論の自由」集会への参加は、最終的にキャンセルされたことをラジオ局WBURに語った。


プラウド・ボーイズを率いるギャビン・マッキンズ氏とネット活動家のティム・"ベイクド・アラスカ"・ジョネット氏も「言論の自由」集会で講演する予定だったが取り止めになった。


19日の集会で暴動が発生する危機感から、ボストンのマーティ・ウォルシュ市長(民主党)は、集会主催者に集会の延期を要請し、ボストンでは扇動集団は歓迎されない旨を公言していた。


「正直に言えば彼らには集会の許可を得て欲しくありませんでしたが、この国での言論の自由も信じていました」と、ウォルシュ市長は話した。


差別容認派に対抗する人々は急増
ボストンの「言論の自由」集会へのフェイスブックでの参加表明者が600人強にとどまったのに対して、それに対抗する「ファイト・シュープリマシー」のページには2万5千人が参加した。シャーロッツビルの暴力事件以来、差別容認派に対抗しようとする人々の数は急増している。


18日夜の時点で、「ファイト・シュープリマシー」グループは3万4千ドル以上の基金を集めている。


一方、「ボストン言論の自由」グループはそのフェイスブックのページで、集会に用いる音響機器の購入のための寄付を募った。資金集めのためのサイトへのリンクでは、2人から合計9ドルの寄付があったことが表示されていたが、やがてこのページは削除された。


このように多くのアメリカ市民が、差別主義を容認せず、かつ積極的に反対の声をあげている。そして重要なのはこれからで、シャーロッツビルの事件後、「ネット探偵」に身元特定されたシャーロッツビル集会参加者が失職する事態が起きている。


ネット探偵たちは、8月第2週の集会中に撮られた写真から身元特定を手早く行っている。シャーロッツビルの集会に参加したことを割り出された幾人かは職を失った。ノース・ダコタのピート・テット氏は参加していたことが家族に見つかり、勘当されてしまった。


集会当日に撮られたビデオには、抗議する人々に対面し、身元特定に怯えて服を脱ぎ捨てた半裸の白人至上主義者が写っている。「面白いかと思って来ただけです、申し訳ありません」と、その男は言った。


白人の国家主義者クリス・キャントウェル氏は、短いながらも大変興味深い、当日の暴力行為についてのVICEのドキュメンタリーに出演している。


「我々は非暴力的ではない」と自称ファシストのその男は、ドキュメンタリーで語った。「そうせざるをえない場合、我々はその人たちを殺害する」。


しかし、ビデオの中には、キャントウェル氏が泣き叫ぶ様子も収録されていた。集会での暴力行為に加担したことで逮捕されることの恐怖のために泣いているのだと彼は言った。


シャーロッツビルの白人至上主義の扇動者たちは重要なことを学び始めただろう。
言論の自由には結果が付いて回るということだ。


そして同様のことを、日本の中国・韓国・在日ヘイトを行う人たちや、”ファッション”ネオナチ賛美者も学ぶべきだろう。


日本人は、差別に鈍感なところがある。社会全体がそういうことにゆるい。まして他国のナチスやホワイトプライドなどに、ロマンを見出して軽々に憧れを口にする。
それは日本だから、大した批判もされず黙認されるのだろう。しかし、おおっぴらにナチス賛美などする人間が、大きなビジネスを続けていられることが、あるいは政治の中枢に今もいることが許される社会であるというゆるさが信じられない。


それは、アメリカの原爆投下を、被爆者やその家族の前で大絶賛するのと等しい。そういう人間として最低線の、Sympathy・共感力の欠如は本当に嘆かわしい。


PVアクセスランキング にほんブログ村
ランキングに参加しています。宜しかったら、両方を
クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ